復活の日




復活の日 (ハルキ文庫)
小松 左京
角川春樹事務所
売り上げランキング: 148,521


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復活の日





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曖昧さ回避 この項目では、小松左京のSF小説およびこれを原作とした映画について説明しています。TBSテレビのドキュメントバラエティについては「復活の日 (テレビ番組)」をご覧ください。

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『復活の日』(ふっかつのひ)は、小松左京が1964年に書き下ろしで発表した日本のSF小説である。また、同作を原作に、(旧)角川春樹事務所とTBSの製作により、1980年6月に東宝系で公開されたSF映画である。英題は“Virus”。



目次 [非表示]
1 概要
2 小説あらすじ
3 用語
4 映画 4.1 キャスト
4.2 スタッフ
4.3 企画
4.4 撮影
4.5 反響・評価
4.6 受賞歴等

5 註
6 参考文献
7 関連項目
8 外部リンク


概要[編集]

殺人ウイルスと核ミサイルの脅威により人類死滅の危機が迫る中、南極基地で生き延びようとする人々のドラマを描いた作品。バイオテクノロジーによる破滅テーマの本格SFとしては日本ではこれが嚆矢になった。執筆当時の香港かぜの流行、東昇の『ウイルス』、カミュの『ペスト』『戒厳令』、南極には風邪がないと記された岩波新書の『南極越冬記』、また冷戦時代の緊張下で同じく人類滅亡を扱ったネビル・シュートの『渚にて』を下敷きとしている[1]。本作で地震について調べたことが、代表作『日本沈没』にも繋がったという[2]。そして、福島正実の企画による早川書房の初の日本人SF作家による長編シリーズ「日本SFシリーズ」の第1巻となった[3][4]。

小松にとっては『日本アパッチ族』(光文社)に次ぐ長編第2作であり、ハードSFの書き下ろしとしては第1作といえる[5]。題名は当初は考えておらず[註 1]、掲載するに当たって急遽思いついたのだという。

SF作家の堀晃は、日本のSFのレベルを引き上げたと高く評価した[6]。評論家の石川喬司は、細菌兵器による終末テーマのSFの代表的な作品の一つとして扱っている[7]。

2009年には、新井リュウジ[註 2]による児童向けのリメイク作品として、『復活の日 人類滅亡の危機との闘い』がポプラ社から出版された(ISBN 978-4-591-11137-6)。時代を2009年以降の21世紀初頭に移しており、それに伴うものや児童向けを理由とする改変がされているが、大筋では原作のストーリーそのままである。新井は「児童向けの翻訳」であるとうたっている。

小説あらすじ[編集]

1969年(小説上では196X年とされている)2月、イギリス陸軍細菌戦研究所で試験中だった猛毒の新型ウイルス「MM-88」が職業スパイによって持ち出される。スパイの乗った小型飛行機は吹雪のためアルプス山中に墜落し、ウイルス保管容器は砕け散る。春が訪れ気温が上昇すると「MM-88」は大気中で増殖を始め、全世界に蔓延した。はじめは家畜の疫病や新型インフルエンザと思われたが、心臓発作による謎の突然死が相次ぐ。おびただしい犠牲者を出してなお、病原体や対抗策は見つからず、人間社会は壊滅状態に陥る。半年後、夏の終わりには35億人の人類を含む地球上の脊椎動物(特に哺乳類・鳥類といった温血動物(ただクジラ・アザラシなどの海棲哺乳類・一部の陸棲哺乳類(齧歯類の一部など)、ペンギンなどの一部の海棲鳥類と一部の陸棲鳥類(一部の野鳥のみ)はほとんど生き残ったが))はほとんど絶滅してしまう。

僅かに生き残ったのは南極大陸に滞在していた各国の観測隊員約1万人と、海中を航行していて感染を免れた原子力潜水艦[註 3]「ネーレイド」号や「T-232」号の乗組員たちだけであった。過酷な極寒の世界がウイルスの活動を妨げ、そこに暮らす人々を護っていたのである。隊員らは国家の壁を越えて「南極連邦委員会」を結成し、絶望の中から再建の道を模索する。27名の女性隊員は種の存続のため、妊娠・出産が義務化される。また、アマチュア無線で傍受した亡き医学者の伝言からウイルスの正体を学び、ワクチンの研究が始まる。

「災厄の年」から4年後の1973年、日本観測隊の地質学者、吉住(よしずみ)は旧アメリカアラスカ地域への巨大地震の襲来を予測する。その地震をホワイトハウスに備わる「ARS(自動報復装置)」が「敵国」の核攻撃と誤認すると、旧ソ連全土に核弾頭付きICBMが撃ち込まれること、更には、これを受けてソ連の「ARS」も作動し、南極基地も標的になりうることが判明する。ARSを停止するため決死隊が選抜され、吉住と米軍のカーター少佐はワシントンへ送られる。吉住とカーター少佐はホワイトハウス地下の大統領危機管理センターへ侵入するが、ARSにたどり着く寸前に地震が発生し、スイッチ停止に失敗する。核ミサイルの自動発射システム同士による報復合戦で世界は2度目の死を迎える。しかし、幸いにも南極へはミサイルが飛来せず、その上、中性子爆弾の爆発によってMM-88から無害な変種が生まれ、皮肉にも生き残っていた人類を救う結果となる。

それから6年後、南極の人々は南米大陸南端への上陸を開始し、小さな集落を構えて、北上の機会を待っていた。ある日、服は千切れ、髪や髭はボサボサ、今にも倒れ果てそうな放浪者が現れる。それは、核攻撃を生き延び、ワシントンから徒歩で大陸縦断を敢行してきた吉住だった。精神を病みながらも、仲間のもとへ帰ろうとする一念で生還した吉住を、人々は歓呼で迎えるのだった。

用語[編集]
MM-88MMとは「火星の殺人者(マーシアン・マーダラー、Martian Murderer)」の頭文字、88は継代改良した88代目の菌種を意味する。米国の人工衛星が宇宙空間から持ち帰った微生物をもとに、フォート・デトリック(メリーランド州フレデリックにある陸軍感染症医学研究所の通称)で生物兵器として使える可能性が研究されていた。その原種「RU-308」がイギリスへ持ち出され、ポーツマス近郊の英国細菌戦研究所にてグレゴール・カールスキィ教授が改良を行った。カールスキィは職業的倫理観や良心の咎め、MM-88が万が一にも外に漏れた場合の人類滅亡の可能性を思ううちにノイローゼとなり、MM-88株をチェコスロヴァキアのライザネウ教授に送り、東西合同で対抗薬品を研究・開発させる事を思い立つ。しかし職業スパイに騙され、CIAへ横流しされそうになった所で、スパイたちの乗る連絡機がイタリアのアルプス山中に墜落し、MM-88菌は世界にばら撒かれる結果になった。絶対低温・絶対真空の宇宙空間に存在していたMM-88は、地球上の環境では強烈な増殖率を持つ。摂氏マイナス10度前後から萌芽状態にもかかわらず増殖し、マイナス3度以上で100倍以上、摂氏5度以上で毒性を持ち始めるが、その段階の増殖率は、マイナス10度段階の20億倍。増殖率・感染率・致死率が高すぎるため弱毒化して「実用化」を目指していたが、MM-88はレガシーのMM-87比で2000倍の毒性を獲得してしまった。MM-88は増殖・感染する核酸のみの存在[註 4]で、ブドウ球菌に似た特定の球菌を媒介としてインフルエンザウイルスを含む「ミクソウイルス群」に寄生し、宿主となるウイルスの増殖力・感染力を殺人的に増加することで大規模な蔓延を引き起こす。体内に侵入すると神経細胞の染色体に取り付き、変異を起こした神経細胞は神経伝達物質の生成と伝達を阻害され、感染者は急性の心筋梗塞様の発作を起こして死亡するか、急性全身マヒに陥って死亡する。発熱・咳・頭痛・関節の痛みといった諸症状から、世間では新型インフルエンザ「チベット風邪」の大流行と思われていた。しかし、細菌でもウイルスでもないMM-88にはワクチンも抗生物質も効果がなく、ウイルスに寄生するメカニズム、増殖・感染する核酸という理論すら知られないまま防疫体制は崩壊する。フォート・デトリックでRU-300系列を研究していたマイヤー博士は、世界をMM-88の惨禍が襲う中でその正体がRU-308であると気づいたが、時既に遅く、破滅を食い止めることはできなかった。南極の科学ブレーンの一人、ド・ラ・トゥール博士により、半ば偶然に発見された唯一の対抗手段は、原子炉内での中性子線照射によって生まれた人体には無害な変異体[註 5]によって、MM-88の増殖を抑える事だけであった。しかし、ARSの存在によって、MM-88は予想外の運命を迎える。ARS(Automatic Reaction (Revenge) System)米国の狂信的な反共軍人・ガーランド中将(映画での階級は統合参謀本部議長)が反共主義のシルヴァーランド前大統領[註 6]と共に造り上げた「全自動報復(または「反応」)装置」。相互確証破壊戦略の確度を上げるため、軍の施設がソ連の攻撃を受けて破壊された場合、その施設と一定時間の通信を行い、応答が無い場合はソ連へ向けて報復のための全面核攻撃を全自動で実施するシステム。ホワイトハウス・イーストウイング内大統領危機管理センターにある切り替えスイッチにより作動する。反動政治家シルヴァーランドの時代は恐怖政治が猛威を振るい、米ソは全面戦争の一歩手前まで行っていたという[註 7]。その為、対抗上ソ連側も全く同じARSシステムを保有せざるを得なかった[註 8]。そしてシルヴァーランドは南極にも極秘で軍事基地を建設しており、これを知ったソ連側も南極を核ミサイルの射程に置かざるを得なかった。後任のリチャードソン大統領はARSシステムを廃棄しようとしたが、ガーランド以下、軍内部の反共勢力の強硬な反対により果たせず、全面軍縮を実現させてからARSを無用の長物と化してしまおうと目論んでいた。その矢先に世界は「MM-88」によって滅亡したが、ガーランドは「MM-88」の蔓延をソ連の生物兵器による攻撃であると頑なに信じ込み、死の直前にシステムのスイッチを入れ起動させていた。ワシントンへ赴いた吉住とカーター少佐の目的は、起動している可能性のある[註 9]ARSが、大地震によるアラスカ方面の軍事施設の破壊を核攻撃と誤認して作動するのを防ぐために、スイッチを切る事にあった。だが、2人が停止スイッチを押そうとした瞬間にARSは作動してしまい、ARSは無人のソ連本土へと全面核攻撃を始めてしまう。WA5PS病原体の性質を突き止めたアメリカの医学者A・リンスキイが使用するアマチュア局のコールサイン。エンドレステープを使い、ウイルス解析のヒントを放送し続けた。この情報が南極を守る事となった。小松左京の没後、このコールサインが指定されていないことが判明し、小松左京事務所に許可を求めた上で「小松左京記念局」として免許された[8]。2012年10月26日の夜より、WA5PS/KHØ(メキシコ国境地域で免許され、マリアナへ移動している扱い)として運用されている。
映画[編集]


復活の日


監督
深作欣二

脚本
高田宏治
深作欣二[9]
グレゴリー・ナップ

原作
小松左京

製作
角川春樹

出演者
草刈正雄
ボー・スヴェンソン
オリヴィア・ハッセー
夏木勲
グレン・フォード
多岐川裕美
ロバート・ヴォーン
千葉真一
チャック・コナーズ
渡瀬恒彦
ジョージ・ケネディ
緒形拳

音楽
テオ・マセロ
羽田健太郎

主題歌
ジャニス・イアン
「You are love」

撮影
木村大作

編集
鈴木晄

製作会社
角川春樹事務所/TBS

配給
東宝

公開
日本の旗 1980年6月28日

上映時間
156分

製作国
日本の旗 日本

言語
日本語
英語
ドイツ語

配給収入
24億円[10]
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プロジェクト 映画

角川春樹事務所とTBSが共同製作し、東宝が配給した1980年の日本映画。アメリカ大陸縦断ロケや南極ロケを敢行し、総製作費は25億円とも32億円ともいわれたSF大作映画である[11][12]。本来は1980年の正月映画として封切り予定だったが、製作の遅れから公開に間に合わなくなり、『戦国自衛隊』が正月作品として取って代わり、本作は半年遅れで公開された[13]。

キャスト[編集]
南極日本隊吉住周三:草刈正雄
辰野保男:渡瀬恒彦
中西隊長:夏木勲
山内博士:千葉真一
真沢隆司:森田健作
松尾明正:永島敏行
隊員:角川春樹、高月忠、畑中猛重、幸英二、五野上力
南極アメリカ隊コンウェイ提督:ジョージ・ケネディ(吹替:大宮悌二)
カーター少佐:ボー・スヴェンソン(吹替:羽佐間道夫)
サラ・ベーカー:ステファニー・フォークナー
無線係:ニコラス・キャンベル
南極ソ連隊ボロジノフ博士:クリス・ウィギンス
ネフスキー大佐:ジョン・エヴァンス
南極ノルウェイ隊マリト:オリヴィア・ハッセー(吹替:武藤礼子)
グリィ:ジョアン・ベンダム
各国南極観測隊ロペス大尉:エドワード・ジェームズ・オルモス
ラトゥール博士:セシル・リンダー
イルマ・オーリッチ博士:イブ・クロフォード
ネレイド号乗組員マクラウド艦長:チャック・コナーズ(吹替:大塚周夫)
ジョーンズ大尉:ケン・カメルウ
T232号乗組員スミノルフ少尉:ジャン・ムジンスキー
電探係:チャールズ・ノースコート
日本本土土屋教授:緒形拳
浅見則子:多岐川裕美
辰野好子:丘みつ子
辰野旭:加瀬悦孝
田所助教授:木島一郎
助手:野口貴史
別の助手:小林稔侍
病院の母親:中原早苗
その娘:渡辺有希子
アメリカ本土リチャードソン大統領:グレン・フォード(吹替:田中信夫)
バークレイ上院議員:ロバート・ヴォーン(吹替:矢島正明)
ガーランド将軍:ヘンリー・シルヴァ(吹替:小林清志)
ランキン大佐:ジョージ・トゥリアトス
マイヤー博士:スチュアート・ギラード

スタッフ[編集]
製作:角川春樹
監督:深作欣二
原作:小松左京(角川文庫版)
プロデューサー:岡田裕、大橋隆
脚本:高田宏治、深作欣二、グレゴリー・ナップ
撮影:木村大作
撮影補佐:岸本正広
照明:望月英樹
美術:横尾嘉良
美術助手:小川富美夫
録音:紅谷愃一
編集:鈴木晄
記録:小山三樹子
演出補佐:高須準之助
制作担当:長岡功、スーザン・ルイス、天野勝正
助監督:藤山顕一郎、吉田一夫、手塚昌明、ジェシー西畑
音楽プロデューサー:テオ・マセロ
音楽:羽田健太郎
音楽監督:鈴木清司(鈴木音楽事務所)
音楽監督補佐:高桑忠男(東映音楽出版)
主題歌:ジャニス・イアン「ユー・アー・ラブ(Toujours gai mon cher)」 作詞:ジャニス・イアン
作曲:テオ・マセロ

翻訳:清水俊二、戸田奈津子
現像:東洋現像所、フィルムハウス(トロント)
角川春樹事務所・東京放送提携作品

企画[編集]

本作より以前、1965年に映画化企画があがっているが、合作でないと日本では無理との東宝の判断で英訳され、20世紀フォックスへ渡されている。その後、当時フォックスに出入りしていたマイケル・クライトンが4年後の1969年に類似テーマの『アンドロメダ病原体』を出版。ベストセラーとなり、映画化もされ小松を驚嘆させた[14][15]。

1970年代、角川春樹が社長に就任した角川書店では角川文庫を古典中心からエンターテインメントに路線変更を図り、特に日本のSF小説に力を入れていた。本作も早川書房から刊行されていたものを、1975年に角川文庫から再刊した[14]。また当時、角川は映画製作事業も開始しており、いわゆる角川映画の一作として白羽の矢が立った。角川春樹は社長に就任するとすぐ小松に文庫化を依頼し、映画化の際には小松に「これを映画化するために会社を継いだ」と語ったという。角川春樹は自著でも「映画製作を行うようになったのは『復活の日』がきっかけ」[16][17][18]、「この作品を作ることができれば、映画作りを辞めてもいいと。それくらいの想いがありました」[19]と述べている。

企画開発は1974年に始まる。海外展開を視野に原作を英訳し、ジョン・フランケンハイマーやジョルジ・パン・コストマスらパニック映画の監督にシノプシスを送ったが関心を得られず[20]。角川春樹はヤクザ映画を多く撮ってきたからミスマッチという周囲の猛反対の声をおして、深作欣二を監督に起用[21]。撮影監督は東宝専属だった木村大作。小松左京の『日本沈没』を監督した森谷司郎も『復活の日』をやりたがっていたが、「監督は深作欣二か。大作と合うよ」と、『動乱』『漂流』で起用予定だった木村を送り出した[22]。その他、深作監督の下、日活と東宝と東映からなる日本人スタッフとカナダ人の混成チームが組まれた[23]。

キャスティングもジョージ・ケネディやオリヴィア・ハッセーら外国人スターが共演したため、英語台詞が多用された。

撮影[編集]

1978年冬に90日間、5千万円をかけたロケハンを敢行。撮影には1年以上をかけ、日本国外のロケに費やした日数は200日、移動距離14万km、撮影フィルム25万フィートを数えた。撮影隊はアメリカ大陸の北はアラスカから南はチリまで移動し、マチュ・ピチュ遺跡でも撮影を行った。

35mmムービーカメラで南極大陸を撮影したのはこの映画が世界初である。南極ロケについては40日をかけて、それだけで6億円の予算がかかった[9][24]。当初は、日本の北海道ロケで済まそうという話もあったが、木村大作はそれなら降りると主張し、深作欣二のこだわりもあって、南極ロケが実施された[12][25]。小松でさえ、映画化の話を聞いたときはアラスカかグリーンランドでロケをするのだろうと思っていたという[26]。

南極ロケではチリ海軍から本物の潜水艦シンプソンと哨戒艦ピロート・パルドをチャーターした[27]。1979年12月末、撮影スタッフや観光ツアー客の住まいとなった耐氷客船リンドブラッド・エクスプローラー号 (MV Explorer (1969)) が座礁・浸水し、チリ海軍に乗員が救出されるという事故が発生[27]。共同通信の記者が乗り込んでいたことから一般ニュースとして日本で報道され[28]、『ニューヨーク・タイムズ』の1面でも報じられるなど、話題には事欠かなかった[29][30]。世界各地の様子を知るために、昭和基地のアマチュア無線で情報収集をする様子が描かれている。

壮大なスケールの原作の映像化にふさわしく、当初14億円から15億円の予定だった製作費は、南極ロケの実施により18億円になり、最終的には25億円に達した[12]。

反響・評価[編集]

1980年の邦画興行成績では黒澤明監督作品『影武者』に次ぐ24億円の配給収入[31]を記録するヒット作となるものの、製作費が巨額だったため、宣伝費等を勘案すると赤字であったとされる。本作がきっかけとなって、角川映画は1970年代の大作志向から、1980年代は薬師丸ひろ子ら角川春樹事務所の所属俳優が主演するアイドル路線のプログラムピクチャーに転換した[32][33][34]。アメリカ人スタッフによる編集で海外版を制作したものの、海外セールスは好調とはいかなかったとされる。

角川春樹は「配収は自分が予想したよりも全然少なかった。それに海外マーケットが成立しませんでした」「自分の夢は一旦成立し、これで勝負は終わったんだと。ここから先は、利益を上げる映画作りへシフトしようと考え方を変えたんです」と振り返っている[35]。

これまでに『日本沈没』『エスパイ』などが映画化されている小松であるが、本作を非常に気に入っており、自作の映画化作品で一番好きだという[36][37]。映画評論家の白井佳夫は、1980年の日本映画のワーストテンとして本作を選出[38]。深作ファンだった井筒和幸は作品の出来に落胆し[39]、押井守は「小松左京は『日本沈没』を除けば映画化に恵まれなかった」との感想を述べている[40]。

角川と共同製作したTBSは、1980年4月から放送した連続テレビドラマ『港町純情シネマ』の第10回「復活の日」(1980年6月27日放送)で、西田敏行演じる映写技師が本作の場面を流すタイアップを行なった。放送日は映画公開前日だった。

2011年3月16日と3月20日にV☆パラダイスで放送予定していたが、直前に起こった東日本大震災への考慮で放送中止となった。

2012年に「角川ブルーレイ・コレクション」の一作品としてブルーレイディスク化。

受賞歴等[編集]
キネマ旬報ベスト・テン 読者ベスト・テン 3位
ブルーリボン賞 ベストテン
優秀映画鑑賞会ベストテン 8位
映画芸術 ワーストテン 7位
シティロード 読者選出ベストテン
文化庁優秀映画製作奨励金交付作品
毎日映画コンクール 日本映画優秀賞
録音賞(紅谷愃一)

日本アカデミー賞 最優秀録音賞(紅谷愃一)

註[編集]

1.^ 小松は題名を考えずに小説を書く。小松は後に、自身が題名を考えずに小説を書いたために時空がゆがんでしまうという内容のSF長編『題未定』を発表している。
2.^ 本作がペンネームをあらいりゅうじから変更して初の作品である。
3.^ 原子力潜水艦は通常の潜水艦と異なり、艦内の空気を長期間自己完結させるほか、海水電解で空気を精製させることが出来るため。詳しくは同項目を参照。
4.^ 小説発表時にはこのようなものは知られていない、空想上の病原体であったが、後に高等植物に感染するウイロイドや細菌に感染するプラスミドなどの「増殖・感染する核酸」の実在が知られるようになった
5.^ 映画版ではワクチンとして扱われている
6.^ 『復活の日 人類滅亡の危機との闘い』では1980年代の元大統領となっており、彼の死後ARSは存在すら忘れられかけていたと言及されている。
7.^ 原作では、「ケネディの選んだ道を強引に引き返した」とされ、保守的な軍人でさえも「アメリカの後進性に絶望」した。観測隊員の一人が“20世紀のアッティラ”“ホワイトハウスのネロ”とまで評している。
8.^ 細部が異なるが「自動報復装置」として実在する。相互確証破壊#旧ソビエト連邦の自動報復システム参照
9.^ 映画ではネレイド号が通信によって作動を確認して、マクラウド艦長が不審に思ったと語っている。

参考文献[編集]

1.^ 小松左京『SFへの遺言』光文社、1997年、p.124。
2.^ 小松左京『小松左京のSFセミナー』集英社文庫、1982年、p.221.
3.^ 小松左京『小松左京自伝 ――実存を求めて――』日本経済新聞社出版社、2008年、pp.63,130-134.
4.^ 福島正実『未踏の時代』早川書房、1977年、pp.136-145.
5.^ ハルキ文庫版『復活の日』「巻末インタビュー」、角川春樹事務所、p439.
6.^ 堀晃「復活の日 作者と作品」『世界のSF文学・総解説』自由国民社、1992年増補版、pp.246-247.
7.^ 石川喬司『IFの世界』毎日新聞社、1978年、p.201.
8.^ 「小松左京マガジン第45巻」(角川春樹事務所発売、2012年4月発行、ISBN978-4-7584-1196-7)に取得に関する顛末記が掲載されている。
9.^ a b 『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p38
10.^ 1980年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
11.^ 永塚敏「'80日本映画界トピックス」『シネアルバム 日本映画1981 '80年公開映画全集』佐藤忠男、山根貞男責任編集、芳賀書店、1981年、p.189
12.^ a b c 生江有二「阿修羅を見たか 角川春樹と日本映画の20年 第8回 白夜の中で」『週刊ポスト』1998年5月22日号、p.159
13.^ 「邦画新作情報」『キネマ旬報』 1979年5月下旬号、p.180
14.^ a b 小松左京「巻末インタビュー」『復活の日』ハルキ文庫、1998年、ppp.442-443
15.^ 小松左京『SF魂』新潮新書、2006年、p.141
16.^ 『SF魂』p.141
17.^ 角川春樹『試写室の椅子』角川書店、1985年、pp.126,137.
18.^ 『SF魂』p.159.
19.^ 清水節・角川春樹 『いつかギラギラする日:角川春樹の映画革命』、角川春樹事務所、2016年、105頁。
20.^ 清水・角川『いつかギラギラする日』、105-106頁。
21.^ 「FRONT INTERVIEW NO.157 角川春樹」『キネマ旬報』2008年6月下旬号、p.6
22.^ 木村大作、金澤誠『誰かが行かねば、道はできない 木村大作と映画の映像』キネマ旬報社、2009年、pp.78-79
23.^ 木村・金澤(2009年)、p.82
24.^ 生江有二「阿修羅を見たか 角川春樹と日本映画の20年 第8回 白夜の中で」『週刊ポスト』1998年5月22日号、p.160
25.^ 金澤誠聞き手・文「風にふかれて気のむくままに 木村大作「劔岳 点の記」への道、」第5回「復活の日」篇1『キネマ旬報』2009年1月上旬号、キネマ旬報社
26.^ 角川書店版「あとがき」より)
27.^ a b 清水・角川『いつかギラギラする日』、110-111頁。
28.^ 富山省吾「プロデューサー・田中友幸の思い出」『ゴジラ 東宝特撮未発表資料アーカイヴ プロデューサー・田中友幸とその時代』木原浩勝、志水俊文、中村哲編、角川書店、2010年、p.134
29.^ 深作欣二、山根貞男『映画監督深作欣二』ワイズ出版、2003年、pp.374-384.
30.^ 金澤誠聞き手・文「風にふかれて気のむくままに 木村大作「剣岳 点の記」への道、」第6回「復活の日」篇2『キネマ旬報』2009年1月下旬号、キネマ旬報社
31.^ "1980年配給収入10億円以上番組". 日本映画製作者連盟. 2016年11月30日閲覧。
32.^ 樋口尚文『『砂の器』と『日本沈没』70年代日本の超大作映画』筑摩書房、2004年、pp.223-p230.
33.^ ひげじい「キネマの天地とハリウッドに見る20世紀の映画事情」『20世紀死語辞典 20世紀死語辞典編集委員会編』太田出版、2000年、p.276.
34.^ 磯田勉「角川映画のアイドル戦略」『別冊映画秘宝VOL.2 アイドル映画30年史』洋泉社、2003年、p.97
35.^ 清水・角川『いつかギラギラする日』、116-117頁。
36.^ 『小松左京自伝』p.330.
37.^ 『SF魂』p.148.
38.^ 松浦総三『スキャンダラスな時代 80年代の週刊誌を斬る』幸洋出版株式会社、1982年、p.78
39.^ 井筒和幸『ガキ以上、愚連隊未満。』ダイヤモンド社、2010年、p.78
40.^ 『完全読本さよなら小松左京』徳間書店、2011年、p.279

関連項目[編集]
パンデミック - 作中ではスペインかぜやアジアかぜが取り上げられている。
ウイルス感染を題材にしたフィクション作品。 アウトブレイク (映画)
感染列島
ブルーシティー - 星野之宣によるSF漫画作品(1976年)。猛毒ウイルスが地上に蔓延し6・9指令(99.9999%の生物の死滅)を発動、生き残ったのは海底都市ブルーシティだけとなる。
地球最後の男オメガマン
アイ・アム・レジェンド

角川映画
1980年の映画

外部リンク[編集]
復活の日 : 角川映画
復活の日 - allcinema
復活の日 - KINENOTE
復活の日のチラシ - ぴあ
復活の日 - AllMovie(英語)
復活の日 - インターネット・ムービー・データベース(英語)



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深作欣二
1960年代
風来坊探偵 赤い谷の惨劇 (1961年) -
風来坊探偵 岬を渡る黒い風 (1961年) -
ファンキーハットの快男児シリーズ(1961年) (ファンキーハットの快男児 -
ファンキーハットの快男児 二千万円の腕)
-
白昼の無頼漢 (1961年) -
誇り高き挑戦 (1962年) -
ギャング対Gメン (1962年) -
ギャング同盟 (1963年) -
ジャコ萬と鉄 (1964年) -
狼と豚と人間 (1964年) -
脅迫(おどし) (1966年) -
カミカゼ野郎 真昼の決斗 (1966年) -
北海の暴れ竜 (1966年) -
解散式 (1967年) -
博徒解散式 (1968年) -
黒蜥蜴 (1968年) -
恐喝こそわが人生 (1968年) -
ガンマー第3号 宇宙大作戦 (1968年) -
黒薔薇の館 (1969年) -
日本暴力団 組長 (1969年)

1970年代
血染の代紋 (1970年) -
君が若者なら (1970年) -
トラ・トラ・トラ! (1970年) -
博徒外人部隊 (1971年) -
軍旗はためく下に (1972年) -
現代やくざ 人斬り与太 (1972年) -
人斬り与太 狂犬三兄弟 (1972年) -
仁義なき戦い (1973年) -
仁義なき戦い 広島死闘篇 (1973年) -
仁義なき戦い 代理戦争 (1973年) -
仁義なき戦い 頂上作戦 (1974年) -
仁義なき戦い 完結篇 (1974年) -
新仁義なき戦い (1974年) -
新仁義なき戦い 組長の首 (1975年) -
仁義の墓場 (1975年) -
県警対組織暴力 (1975年) -
資金源強奪 (1975年) -
新仁義なき戦い 組長最後の日 (1976年) -
暴走パニック 大激突 (1976年) -
やくざの墓場 くちなしの花 (1976年) -
北陸代理戦争 (1977年) -
ドーベルマン刑事 (1977年) -
柳生一族の陰謀 (1978年) -
宇宙からのメッセージ (1978年) -
赤穂城断絶 (1978年)

1980年代
復活の日 (1980年) -
青春の門 (1981年) -
魔界転生 (1981年) -
道頓堀川 (1982年) -
蒲田行進曲 (1982年) -
人生劇場 (1983年) -
里見八犬伝 (1983年) -
上海バンスキング (1984年) -
火宅の人 (1986年) -
必殺4 恨みはらします (1987年) -
華の乱 (1988年)

1990年代
いつかギラギラする日 (1992年) -
忠臣蔵外伝 四谷怪談 (1994年) -
おもちゃ (1999年)

2000年代
バトル・ロワイアル/バトル・ロワイアル 特別篇 (2000年/2001年) -
バトル・ロワイアルII 鎮魂歌 (2003年)

テレビドラマ
キイハンター (1・2・157・158話) -
ザ・ガードマン (326話) -
必殺仕掛人 (1・2・24話) -
アイフル大作戦 (31話) -
バーディ大作戦 (1話) -
傷だらけの天使 (1・3話) -
Gメン'75 (16・20・85・354話) -
影同心 (18話) -
柳生一族の陰謀 (1話) -
影の軍団II (1話) -
ダブル・パニック'90 ロス警察大捜査線 -
阿部一族

演劇
柳生十兵衛 魔界転生 (1981年)

ゲーム
クロックタワー3

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愛は地球を救えるか- ”復活の日” [日本のSF作品]




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ヨーロッパでは病原性大腸菌「O-104」の感染拡大でたいへんな騒ぎです。

病原性大腸菌「O-104」(学名:Escherichia coli O104:H21、日本語名:腸管出血性大腸菌O-104。 別名:病原性大腸菌O-104)は、Weblio辞典によれば、「病原性大腸菌の一種。「O-157」「O-111」と同じ腸管出血性大腸菌であり、「O抗原」の差異によって区別されている。腸管出血性大腸菌O-104、O-157、O-111などは基本的な働きはおおむね同じであり、ベロ毒素を生産することによって大腸の粘液細胞を破壊・死滅させ、出血性の激しい下痢を引き起こし、腎臓の機能が低下する溶血性尿毒症症候群(HUS)などを併発させる。さらに、他の一般的な食中毒の原因菌と比べて、感染力が非常に強い点も共通している」とあり、6月7日現在までの「O-104」の感染者数は、米国を含む13カ国で1500人以上、死者22人となっています。


ドイツ北部のハンブルグ市を発生源として欧米に急速に広がり猛威を奮いつつあるこの感染症は、WHO(世界保健機関)が「極めてまれなタイプの大腸菌だ」と発表しているように、感染経路がまだ判明しないため、効果的な予防法を実施できないという大きな問題を抱えています。

世界的パンデミックの危機


感染病と言えば、最近の例では2009年から2010年にかけて世界中に流行し、多くの感染者を出したA-H1N1という種類のインフルエンザ(新型インフルエンザ、豚インフルエンザとも呼ばれる)があります。



新型インフルエンザ(H1N1)の感染地域と感染者数

(クリックすると画像を拡大できます)


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このA-H1N1型インフルエンザによる感染者数は世界で約10万人程度、犠牲者数も500人以下という比較的少ない数(参考資料)でおさまったようですが、1918年~1919年にかけて全世界的に流行した「スペイン風邪」は、感染者数6億人、死者数は4千万人~5千万人に達したと推定されており、当時の世界の人口が18億~20億人程度であったことから見て、約3分の1が感染したという、人類の歴史上最悪の世界的パンデミックとなり世界を恐慌に陥れました。ちなみにこの風邪が流行った時期は第一次大戦の最中でしたが、ヨーロッパ戦線における兵士たちのスペイン風邪による死者数があまりにも大きかったため戦争の終結が早まったと言われているほどですから、その凄まじさが想像できるというものです。



スペイン風邪の患者で満員の米軍野戦病院(Wikipediaより)


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今回の「O-104」が突然変異でさらに毒性が強まったとの憶測がなされており、またスペイン風邪(実際はインフルエンザ)にせよA型インフルエンザにせよ、これらはすべて突然変異の結果、ときたま人間に対して猛威をふるうウィルス変化することは周知のことですが、将来、スペイン風邪の数倍、数十倍の威力をもつインフルエンザ・ウィルスや未知の微生物が出現するかも知れません。



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人類の滅亡を描く『復活の日』


そして、このような、ウィルスによる人類滅亡を描いたSF作品が『復活の日』です。
『復活の日』は知る人ぞ知る、日本を代表するSF作家、小松左京の作品で小松左京は今回取り上げる『復活の日』のほかにも『日本沈没』などの作品でも有名です。
『復活の日』は、1964年にSF小説として発表され、1980年には角川春樹事務所とTBSの共同製作により映画化されています。


Lobyが持っているのもこれと同じ本です


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『復活の日』の主題歌「You Are Love」(歌:Janis Ian)は英語の歌ですが、とてもうつくしい歌ですので、これを聴きながら下記の続きを読んでいただければさらに臨場感が増すかも知れません(?)。(歌詞はページの最後にあります)













『復活の日』のあらすじ
(ネタバレなので読みたくない方は飛ばしてください)


 1982年冬、東ドイツの陸軍細菌研究所から新種のウイルスMM-88が持ち出された。このMM-88はマイナス10℃で自己増殖を始め、0℃を越えると猛烈な毒性を発揮する。その時点での増殖率はマイナス10℃のときの20億倍にもなるという恐るべきウイルスであった。 MM-88はスパイ達の手に渡り、小型飛行機に乗せられ吹雪のアルプスを越えようとしていた。かし、小型機は吹雪のために操縦を誤り山腹に激突、ウイルスMM-88の入ったアンプルは砕け散り、辺りに飛散した。

アルプス山脈

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 春が来て、アルプスの雪もゆるみ始めた…。
 そして、各地に異変が起こり始めた。
ソ連のカザフ共和国で羊の集団死が発生。イタリアでは乳幼児が次々と意識不明に陥ったっ。
医師の多くは「イタリア風邪」と名付けた。
 初夏になると、この死亡率の高い「イタリア風邪」は世界各地で猛威をふるうようになり、そのニュースは、南極の昭和基地にも伝わった。越冬隊員の吉住周三は東京に残してきた恋人、浅見則子の身を案じるのだった。
 その頃、東京は混乱の極にあった。街頭では病死者を焼く煙りが立ち上り、病院は患者たちでごったがえしていた。看護婦の則子も不眠不休で働いていたが、医師たちも疲労と「イタリア風邪」で倒れていく。死の影が確実に忍び寄って来るのを則子は感じた。



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一方、ワシントンのホワイトハウスでは「イタリア風邪」に対処すべく閣議が開かれていた。

席上、ガーランド将軍はソ連の陰謀説を唱えたが、その時クレムリンからのホット・ラインがソ連首相の死を伝えた。 アメリカ上院議員のバークレイは「イタリア風邪」の正体は、MM-88である事をつきとめた。それはフェニックス作戦という細菌戦略が生み落とした怪物だったのだ。しかし、もはや遅すぎた。

夏も盛りを過ぎようという頃には世界は壊滅状態に陥った。リチャードソン大統領は、生存の可能性がある南極大陸の各国基地に最期のメッセージを送った。「その
聖域を離れてはいけない。諸君は人類最後の希望だ。一致協力して生きる努力を傾けて頂きたい……」

残されたのは南極にいた者たちだけだった...(写真は昭和基地)




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 南極に863人を残し、世界は死滅した。
アメリカ、パーマー基地のコンウェイ提督を議長に、南極連邦委員会が結成された。そして、地球上にMM-88が蔓延している間、海中を潜行航海して偶然難を逃れたイギリス海軍の潜水艦ネレイド号がその仲間に加わった。
 

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1年が過ぎた。MM-88は依然として世界を征服していた。吉住は相変わらず地震研究に余念が無かったが、そこに意外な事実が浮かび上がってきた。近い将来、アメリカ東部に大地震が間違いなく起きる。それは核爆発に似た衝撃波をアメリカ本土に与えるだろうと思われた。その結果、ARS(自動報復システム)が作動しソ連へ向けてミサイルが発射される。攻撃を受けたソ連でもARSが作動。そして。発車されるミサイルのうち何基かは、今となっては南極連邦の首府であるアメリカ基地に向けられているのだ。
 誰かがワシントンに上陸し、ARSのスイッチを切らなければならない。事情に詳しいカーター少佐が志願した。そして吉住も…。

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二人を乗せたネレンド号が潜航し、ワシントンへ向かう。吉住に密かな好意を抱く女性隊員マリトは、アメリカ基地から退避する砕氷船のデッキから出港を見送った。しかし、カーターと吉住の決死行も空しく、アメリカのもソ連のミサイルは発射されてしまった。

世界は2度死んだ。
 
数年の歳月が流れた。が、アメリン大陸を縦断する一人の男が居た。吉住である。MM-88は核爆発の放射能の影響で恐ろしい威力を失ったのだ。吉住は奇跡的に生き残り、一人南へ向かっていた。死滅した地上を、彼は歩き続けた。南には、仲間が居るのだ、愛する人達が居るのだ……     (映画パンフレットより)

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映画『復活の日』のデータ

 最初にも述べたように、本作品は1980年に東宝系で公開され、制作費は当初14~15億円を予定するという、日本映画にしては大作となる予定だったのが、制作費は大きくオーバーして25億円にも達したと言われ、興業収入が24億円と発表されたことから、制作費に宣伝費を加えると赤字になったと言われています。

監督は『トラ・トラ・トラ』や『仁義無き戦い』シリーズで有名な深作欣二で、同監督の指揮下、スタッフは日本人とカナダ人の混成チームで、チャック・コナーズ、グレン・フォード、ロバート・ヴォーン、オリビア・ハッセーなどの当時かなり人気のあった外国人俳優も多く起用されています。撮影には1年以上をかけ、海外のロケーションに費やした日数だけで200日を数え、南極やマチュ・ピチュでロケが行なわれ、特に35㍉ムービーカメラで南極大陸を撮影したのはこの映画が世界最初となっています。



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映画『復活の日』裏話


ところで、映画『復活の日』に出てくる英国の原子力潜水艦は、実際はチリ海軍の「シンプソン」で、元は第2次大戦中に建造された米軍の「バラオ」級潜水艦の「スポット」が第二次大戦後チリ海軍に売却されたもので、この映画を撮影するためにチリ海軍から「シンプソン」潜水艦を借り受けて撮影しています。




シンプソンと同型のバラオ級潜水艦クラマゴア




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また実際に南極海を航行してもらい、浮上、潜行を繰り返すさまを実際に撮影するなど、徹底的に本物にこだわった作品に仕上がっています。ちなみにシンプソンは世界で最初に南極近海を航行した通常型潜水艦であり、当時はまだ周辺の海図も完璧でなかったこともあり、氷山が散在する中の危険をともなう航行でした。当時のシンプソン艦長はこの功績により勲章を受けています。下の写真を見ても分かるように、第二次大戦時に建造された少々老朽化した通常型潜水艦での南極海航行は大変リスクのある操艦だったことを考えると、勲章はおろか昇進もありうるほど、当時としては画期的なことだったわけですね。それが単に映画の撮影のために行われたということに驚きます。





氷海のチリ海軍潜水艦シンプソン




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このチリ海軍潜水艦「シンプソン」の『復活の日』南極ロケーションの模様はこちらのサイトに詳しく述べられおり、内容はとても興味深いものです。ただしスペイン語ですのでGoogle Chromeの翻訳機能などを使って日本語に訳して読むといいと思います。なお、『復活の日』にはカナダ海軍の潜水艦オカナガンも撮影に協力しています。




カナダ海軍の通常型潜水艦オカナガン


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『復活の日』のロケーションが行われた米国のパルマー基地



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チリ海軍の潜水艦シンプソンの潜行、浮上の撮影が行われた場所は、南極半島に近いブランスフィールド海峡とゲルラッシュ海峡です。(クリックすると地図を拡大して見れます)




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ブランスフィールド海峡

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ゲルラッシュ海峡



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『復活の日』予告編の動画





外国語版の予告編動画







VIRUS(復活の日)培地



小松左京は、『復活の日』を書くにあたって当時流行した香港風邪、東昇の『ウイルス』、カミュの『ペスト』『戒厳令』、南極には風邪がないと記された岩波新書の『南極越冬記』、また冷戦時代の緊張下で同じく人類滅亡を扱ったネビル・シュートの『渚にて』を下敷きとしたそうですが、これらのほかにもマイケル・クライトンの『アンドロメダ病原体』に大きな影響を受けたそうです。
『アンドロメダ病原体』は1969年に発表されたSF作品で、1971年には『市民ケーン』や『地球が静止した日』などで有名なロバート・ワイズの監督によって映画化されています。
アンドロメダ株菌という架空の菌によってある町の住民が死滅してしまうところからストリーは始まり、対応する手段がないことから人類が滅亡するかもしれないという恐怖感がヒシヒシと感じられる、リアルな作品です。
なお、2008年にはTVシリーズ化され、日本でも放映されているので覚えておられる方もいると思います。

『アンドロメダ病原体』DVD版



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2008年の『アンドロメダ病原体』TVシリーズ

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復活の日の主題歌「You Are Love」(歌 Janis Ian)

     What’s the time?
     Where’s the place?
     Why the line?
     Where’s the race?
     just in time, I see you face
     Toujours gai, mon cher


     You are the star
     that greets the sun
     Shine across my distant sky
     when night is done
     You’ll be the moon to light my way
     Toujours gai, mon cher
     It’s not too late to start again
     It’s not too late
     though when you go away
     the skies will grey again
     In the time that remains,
     I will stay
     Toujours gai mon cher


     No regret
     for the light that will not shine
     No regret,
     but don’t forget, the flame was mine
     and in another place, in another time
     Toujours gai,mon cher
     It’s not too late to start again
     It’s not too late
     though when you go away
     the skies will grey again
     In the time that remains,
     I will stay
     Toujours gai,mon cher


     Halfway measures go unsung
     Take your pleasures while you’re young
     Just remember, when they’re done,
     Toujours gai, on cher

                  訳詞付き主題歌はこちらです。


タグ:O-104 病原性大腸菌 復活の日 ウイルス パンデミック インフルエンザ アンドロメダ病原体 スペイン風邪 新型インフルエンザ 小松左京 南極 南極半島 昭和基地 ブランスフィールド海峡 ゲルラッシュ海峡

http://www1.kcn.ne.jp/~pop/spcpm/j16h/fukkatsuno_hi.html


『復活の日』:1980、日本


1981年、新種ウイルス創造のための遺伝子工学的実験研究は、全て世界的に禁止された。それから1年後の1982年2月、東ドイツのライプチヒ。米軍のスパイはクラウゼ博士を騙して協力させ、陸軍細菌研究所からウイルスMM88を奪取した。
MM88はアメリカの細菌学者が発明したウイルスで、摂氏マイナス10度で自己増殖をはじめ、0度を越えると恐るべき毒性を発揮する。ワクチンは無く、感染すれば全ての動物は3日で死亡する。スパイはMM88を持ち出すが、途中で飛行機が墜落してしまう。
1982年3月、アメリカ・メリーランド州の細菌研究所。マイヤー博士の元をランキン大佐が訪れ、MM88の奪還が失敗したことを知らせた。マイヤー博士は、ランキン大佐がMM88を生物兵器として利用しようと企んでいることに気付いていた。ランキン大佐はマイヤー博士を精神障害に仕立て上げ、病院に換金してしまった。
やがて世界中で、イタリア風邪と命名された病気が猛威を振るい始めた。MM88が原因だとは知らぬまま、人々は次々と死んでいった。1982年5月、南極の昭和基地にいる南極越冬隊の面々は、中部アフリカでは人も動物も全滅したという情報を聞いた。
隊員の1人・吉住周三は、日本に残した恋人・浅見則子のことを心配していた。その頃、則子は日本で看護婦として忙しく働いていたが、過労で倒れて流産してしまった。一方、アメリカのホワイトハウスには閣僚が集まり、対策を講じていた。ガーランド統参議長は自動報復装置ARSの作動をリチャードソン大統領に要求し、拒否された。
1982年7月、則子の働く病院では、土屋教授がイタリア風に倒れた。8月、昭和基地では日本との交信が途絶えていた。サンタフェの牧場にいるという少年トビーの声が無線に届くが、彼は家族がイタリア風邪で死んだことを語った後、銃で自害した。
アメリカのバークレイ上院議員は、ランキン大佐が密かにMM88の兵器利用計画を進めていたことを突き止めた。日本では土屋教授が死亡し、南極越冬隊隊員・辰野保男の妻・好子も亡くなった。則子は辰野の息子・旭をモーターボートに乗せ、天国へ旅立った。妻子の死を知った辰野は基地を抜け出し、そのまま帰らぬ人となった。
リチャードソン大統領は南極のパーマー基地に連絡を入れ、各国の基地に交信を繋ぐよう指示した。彼はウイルスが低温では活動を停止する特性を告げ、南極で生き残って欲しいと言い残して息を引き取った。ガーランド統参議長は、ARSのスイッチを入れて死亡した。1982年秋、863人の人間を南極に残し、人類は滅亡した。
南極では、各国の代表が集まって会議が開かれることになった。日本隊の中西隊長と吉住は会議に向かう途中で立ち往生し、ノルウェイ基地に向かった。だが、ノルウェイ基地では隊員が発狂し、隠れていた女性隊員マリト以外は死亡していた。マリトは妊娠しており、吉住は彼女の面倒を見るために基地に残ることになった。
パーマー基地では各国の代表者が集まり、アメリカ隊のコンウェイ提督が議長となって今後の方針を決める会議が行われる。だが、言い争うばかりで何も決まらない。そんな中、マリトが出産し、息子にグリイと名付けたという連絡が入った。
ソ連の潜水艦T232号のスミルノフ少尉から、乗組員がイタリア風邪に感染しているため上陸したいとの通信が入った。南極会議は拒否するが、スミルノフ少尉は上陸しようとする。近くにいた英国原子力潜水艦ネレイド号のマクラウド艦長は、T232号を撃沈した。潜水艦ネレイド号の乗組員は、南極会議の許可を得て上陸した。
それから1年が過ぎたが、未だにウイルスの恐怖は続いていた。南極では種の保存のため、8人の女性隊員が大勢の男性と性交渉を持つルールが定められていた。吉住はマリトと密かに惹かれ合う中だったが、愛する人を独占することは許されなかった。
地震予知の専門家である吉住は、アメリカで垂直型地震が起きることを予測した。その衝撃によってアメリカのARSが作動し、ソ連に向けて核ミサイルが発射される。そうなればソ連のARSも作動するが、ミサイルの1基はパーマー基地に向けられているのだ。ARSを止めるため、吉住と南極アメリカ隊のカーター少佐はアメリカへ向かう…。

監督は深作欣二、原作は小松左京、脚本は高田宏治&深作欣二&グレゴリー・ナップ、製作は角川春樹、プロデューサーは岡田裕&大橋隆、撮影は木村大作、編集は鈴木晄、録音は紅谷愃一、照明は望月英樹、美術は横尾嘉良、マット・ペインティング&“スカイ・スパイ”モデル・デザインはマイケル・マイナー、衣裳デザインはディック・ラモット、音楽は羽田健太郎、音楽監督は鈴木清司、音楽監督補佐は高桑忠男、音楽プロデューサーはテオ・マセロ、メインテーマはジャニス・イアン。
出演は草刈正雄、ボー・スヴェンソン、オリヴィア・ハッセー、夏木勲、緒形拳、ジョージ・ケネディー、渡瀬恒彦、チャック・コナーズ、千葉真一、グレン・フォード、多岐川裕美、ロバート・ヴォーン、ヘンリー・シルヴァ、エドワード・J・オルモス、永島敏行、森田健作、セシル・リンダー、スチュアート・ギラード、丘みつ子、クリス・ウィギンス、ジョン・エヴァンス、ジョージ・トウトリアス、ケン・ポーグ、角川春樹、高月忠、畑中猛重、五野上力、幸英二、ステファニー・フォークナーら。




小松左京の同名小説を映画化した作品。
吉住を草刈正雄、カーター少佐をボー・スヴェンソン、マリトをオリヴィア・ハッセー、中西隊長を夏木勲、土屋教授を緒形拳、コンウェイ提督をジョージ・ケネディー、辰野を渡瀬恒彦、マクラウド艦長をチャック・コナーズ、リチャードソン大統領をグレン・フォード、則子を多岐川裕美が演じている。

20億円を超える製作費を注ぎ込んだ、スケールの大きな映画である。キャストを見れば一目瞭然だが、ハリウッドからも有名俳優を招いた豪華スター共演作である。
元気があった頃の角川映画は、すごい映画を作っていたということだ。
ただし、豪華キャストを集めたりしたからといって、映画が面白いとは限らないのだが。

設定を考えればSFなのだが、そこに深作欣二監督はリアリズムを求めた。実際に世界各国を回ってロケを行い、特撮に頼らずに荒廃した都市を作った。南極でのシーンが多い映画だが、大半は実際に南極大陸でロケーションを行っているらしい。そこから考えると、製作費の多くがロケハンに費やされたことになる。
本物の風景を撮ることにこだわるとは、日本人の実直な性格が顕著に表れている。まあ簡単に言うと、阿呆である。そんなトコ、幾らだってウソをついて構わないのだ。本当に南極でロケをしたというのは、こぼれ話としては面白いが、それで映画が面白くなるわけではない。ハリウッドなら、そんなことより特撮に金を使っただろう。

さて、ストーリーを追い掛けながら、中身について考えていこう。序盤、オンボロのセスナでアルプスを越えて猛毒ウイルスを運ぶという、緻密とは正反対のムチャな計画が進行する。で、やっぱりセスナは事故を起こし、やがてウイルスが猛威を振るい始める。
どうやら世界中で酷いことになっているらしいが、あまり伝わって来ない。イタリアのミラノで軽いパニックが起きているのは分かるが、少なくとも都市が全滅とか、そこまで凄い状況になっているとは感じない。映像として、それが伝わって来ないからね。

さて、南極の昭和基地では、ウイルスが蔓延しているニュースは入ってくるが、どうも緊迫感が今一つ。基地の連中にも、それほど深刻に受け止めている様子は見られない。そして、なぜか吉住が則子との日々を回想するという、モッチャリした男女のドラマが描かれる。マッタリする暇があったら、世界の緊迫する空気を伝えてほしいのだが。
さて、日本では則子が仕事中に倒れて流産する。イタリア風邪なのかと思ったが、その後で普通に仕事に戻っているので、ただの過労だったようだ(イタリア風邪なら絶対に死ぬ)。そんなシーン、要りますかね?だって、イタリア風邪は関係無いんだから。

ホワイトハウスでは、世界でウイルスに倒れる人々の姿ではなく、ワクチンを求めてデモを起こす人々の姿がテレビに映し出される。ここまで来ても、実はウイルスの恐怖が今一つ見えてこない。あくまでも、ニュースとしての恐怖に過ぎないのよね。
南極では、トビー少年からの通信が届く。でも、それまでに、トビーというキャラクターは登場していないし、そのシーンでも姿は出てこない。だから、そいつが家族の死を告げようと自殺しようと、「遠くの見知らぬ奴が死んだ」ということでしかない。

「どこの都市で数百万人が死亡した」と出されても、ホワイトハウスにしろ昭和基地にしろ、恐怖が何となく遠い場所に存在しているように感じる。荒廃した都市を見せるより、身近な人間の無惨な死体を見せた方がショッキングだと思うし。あと、則子が旭を連れてモーターボートに乗るとか、そんなワケ分からん人間ドラマは要らないし。
そこまで、感染した1人の人間が死ぬまでの様子を描くわけではなく、病院に大勢の患者がいるとか、大まかな形でしか表現されていない。主要キャラクターも、誰も死んでいない。ようやく緒形拳が倒れたりするが、残酷な死に様は無いしね。
主要キャラクターの死に様は、ちょっとキレイだったり、死ぬ瞬間がボヤけていたりする。結局、誰1人として「もがき苦しみ、処置を施すが死んで行く」という風な、痛々しくて悲惨な死に方をする奴はいない。だから、あんまり恐怖は伝わらないのよね。

ホワイトハウスでは、今頃になって大統領と上院議員が「ウイルスは低温で活動停止するから南極なら大丈夫」と気付く。遅すぎるよ。で、舞台は完全に南極に移動し、会議が開かれることになるが、なぜかノルウェイ基地で隊員が発狂したという話が挟まれる。
実際に隊員が発狂して暴れる姿が描かれるわけでもないし、要らないだろ、そのシーン。まあ、そこが無ければオリヴィア・ハッセーを登場させることが出来ないわけだが、そもそも吉住とマリトの恋愛ドラマなんぞ、マッタリするだけだから要らないのよね。

南極の面々だけになった後、チンタラした会議があったり、女の扱いについて考えたりと、パニックも緊張感も無いドラマが続く。潜水艦が出て来たりするが、「ウイルス感染者が上陸する」という恐怖を描くのではなく、ただ爆発シーンが見せたいだけだ。
南極にはウイルスの恐怖が無いので、しばらくはモッチャリとした人間ドラマが続く。というか、そんなに人間ドラマも充実しているわけではなくて、何となくダラダラと時間が過ぎて行くという感じ。ようやくARSの問題が発覚してサスペンスに傾くのかと思ったら、また男女の恋愛とか描いて、危機が迫っているはずなのに妙にノンビリしたムード。

で、ARSの停止に失敗してミサイルが発射された後、吉住は歩いて仲間の元を目指す。神様との問答という珍妙なシーンも挟みつつ、最後に彼は仲間と再会する。実は仲間はチリに移動していたらしいのだが、それが劇中では説明されていないので、「吉住は徒歩で南極大陸に辿り着いた」という信じられないコトになってしまう。
あと、どうやら吉住はアメリカ上陸前に投与されたワクチンの効果があったようだが(これも分かりにくいのだが)、他の人間がウイルス感染せずに生きているってのも妙だ。実は核ミサイルの影響でMM88が消滅したらしいが、これも劇中では説明不足。

最終的に吉住が仲間と再会するシーンは、ハッピーエンドのように描写されている。
でも、実際には食料が無いので、いずれ彼らは間違い無く滅亡する。
『復活の日』というタイトルだが、少なくとも人類は復活しないだろうと思わせて映画は終了する。


 

*ポンコツ映画愛護協会

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