日本や韓国の冷麺と決定的に異なる 本場 北朝鮮 平壌冷麺









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クアラルンプールの北朝鮮レストランで平壌冷麺を食べてきた【前編】

先月下旬、「クアラルンプールの北朝鮮レストランで平壌冷麺を食べてきた【速報版】」を現地からお届けした。帰国後しばらく経ち、やっと時間の余裕ができたので、冷麺の詳細をリポートしようと思う。

訪れたのは、クアラルンプールのいわゆる北朝鮮レストラン「平壌高麗館 (평양고려관, Korea Pyongyang Restaurant)」。あえてクアラルンプールで冷麺を食べようと思った経緯、そしてクアラルンプールと平壌の意外な繋がりについては、速報版ですでに述べた。今回の記事は、その続きということになる。


2014年9月下旬。1度目の挑戦の2日後、冷麺に餓えたわれわれは再び「平壌高麗館」へ向かった。

事前に調べたところによれば、場所はクアラルンプール最大の繁華街ブキッ・ビンタン(Bukit Bintang)にほど近い裏通り。KLモノレールのブキッ・ビンタン駅から徒歩10分弱といったところ。正確な位置は、下の地図に示した通り。


ブキッ・ビンタン方面から、地図を頼りにその裏通りへと辿り着いた。通りの左側は、屋台同然のインド系カレー屋によって占拠されている。調理にいそしんでいた店主と思わず目が合った。客と思われたらしく店主が声をかけてきたが、残念ながら、われわれの目的は道路の反対側なのだ。

「平壌高麗館」前の道路。店に前の駐まっているタクシーはマレーシアの国民車「プロトン・サガ」である。運転手は例のカレー屋で昼食をとっていたようだ

カレー屋の向かい側、つまり道路の右側には、塀に囲まれた建物がひっそりと建っている。別に朝鮮風の建物ではないし、一見すると朝鮮料理店だとはわからない。

入り口に辿り着いた。看板を見てようやく、ここがあの「平壌高麗館」だとはっきりする。


看板いわく、月曜から日曜まですべての曜日に営業しており、昼の営業が午前11時30〜午後3時30、夜の営業が午後5時30分〜11時30分らしい。2日前に訪れたとき営業していなかったのは何だったんだろうか…。

ところで、この看板を見て、あることが気になった。事前に調べたところによれば店名は「平壌高麗館」のはずなのに、「平壌」の文字がどこにもないのだ。不思議に思いながらも、敷地内へ歩みを進める。


ここが建物の入り口だ。前回はこのガラス戸の奥にシャッターが降りていた。今回はシャッターはなく、"Open" の札がかかっている。このドアを開け、いよいよ店内へ入った。

中に入ると、ちょっとしたエントランスホールのようなものがあり、さっそくウェイトレスさん2人が出迎えてくれた。英語が堪能だが、紛れもなく朝鮮人である。さすが「北レス」、きれいな人ばかりだ。

このウェイトレスさんに導かれ、客席へと向かう。「北レス」というとステージのある大広間のイメージだが、その大広間は素通りし、奥の個室へと案内された。

建物は新しい。内装にも高級感があり、店内のテレビやエアコンは日本企業のものが中心だ。しかしこういう場所であまり写真をバシャバシャ撮るのもカッコ悪いと思い、店内の様子はあまり撮っていない。あくまで冷麺が目的だし。


個室に通されると、ポットで熱いお茶を出された。トウモロコシ茶のようである。さきほどの大広間のほうからワンジェサン軽音楽団の器楽曲が聞こえてくるが、ほどなくして止んでしまった。

テーブルに敷かれた紙マットには、表の看板にはなかった「平壌」の表記がはっきりと存在する。やはり「平壌高麗館」が正式な店名で、看板には何らかの理由で「高麗館」とだけ書いているということなのだろう。


ほどなくして、ウェイトレスさんが分厚いメニューを持ってきた。料理の種類はかなり多く、朝鮮料理とはいえないような料理も目につく。価格帯は、マレーシアの物価からすればかなり高めと言えるが、おおむね日本の焼肉屋で食事をするのと同じような値段だ。

麺類のページにはちゃんと「平壌冷麺」(29リンギ=約960円)があった。冷麺はほかにも何種類かあったが、まあ平壌と名のつくこの店で平壌冷麺以外を選ぶ手はないだろう。これを人数分注文した。

さらに、冷麺だけでは淋しいと思い、「鴨肉の鉄板焼き」(39リンギ=約1300円)を頼んでみた。平壌冷麺と並び、鴨肉の焼肉も平壌の名物料理だと聞く。これは鉄板焼きなので焼肉ではないが、その雰囲気だけでも味わえるのではないかと考えたのだ。

料理の注文を済ませてしばらくすると、パンチャン(おかず)一式が出てきた。


韓国・朝鮮料理店では、必ずといっていいほど、ナムルやキムチなど数種類のパンチャンが最初に供される。韓国だと基本的に無料で、おかわりもできるのが普通だ。「北レス」も、最初にパンチャンが出てくるシステムに関しては例外ではないようだ(おかわりができるかは検証していないが)。



白菜キムチ。漬かり具合は普通、味はちょっと濃いと思った。


キュウリをゴマ油で軽く炒めたやつ。これって朝鮮料理というより中華のイメージだったけど、どうなんだろうか。

さて、これから平壌冷麺との感動の対面が待っているわけだが、また長くなってしまったので、続きは後編へ譲ろうと思う。

→後編へ

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クアラルンプールの北朝鮮レストランで平壌冷麺を食べてきた【後編】
→前編に戻る


冷麺を食べるべく、クアラルンプールの「平壌高麗館」にやってきたわれわれ。訪問の経緯と店の概要、そして料理を注文するところまでは速報版と前編で述べた。では、いよいよ冷麺の話に入ろうと思う。


と、その前に、もうひとつ注文した料理があるんだった。

パンチャンをつまみながら待つことしばらく。「鴨肉の鉄板焼き」(39リンギ=約1300円)が出てきた。鴨肉の焼肉は平壌名物として知られているので頼んでみたのである。だが出てきた料理は、われわれがイメージしていたものとは、いささか異なっていた。


でもこれ、やたらうまいのである。見てのとおり、鴨肉をタマネギやパプリカとともに、多量の油を用いて強火で炒めたといった風体の料理。味付けは、どことなく東南アジア的。ほのかな甘みと、隠し味程度のスパイスが鴨肉の香ばしさを引き立てる。

この調理法にせよ味付けにせよ、明らかに朝鮮料理のセンスではない。北朝鮮の料理人だけでなく、現地の料理人も雇っているのではないだろうか。

鴨肉をうまいうまいと言いながらパクパク食ってるうちに、いよいよ今回のメインが運ばれてきた。


部屋が暗くて、写真があまりよく撮れていないのが残念だ(無理やりレタッチしたので明るく見えるが)。しかし、わかる人にはこの写真で十分にわかるはず。この冷麺が、ガチな平壌冷麺であるということが。

この黒っぽくて透明感のある麺は、まさしく、平壌式の蕎麦粉を使った冷麺の特徴なのだ。


なお麺は、ウェイトレスさんがハサミで切ってくれる。ある漫画に「冷麺の麺をハサミで切るのは韓国式で、北朝鮮では絶対にやらない」との旨が書いてあったが、真偽のほどは定かではない。

というわけで、麺をさっそく啜ってみる。うまい!適度なコシとツルツル感を兼ね備えていて、まさに冷麺の王道という感じ。そして何よりも特徴的なのが、濃厚な蕎麦の香りである。ソウル「平壌麺屋」の麺でも蕎麦の香りは感じたが、それを上回る鮮烈な「蕎麦っぽさ」が口から鼻へと広がっていく。

そう、この麺は、正真正銘の平壌冷麺だ。しかし、どうやって平壌から遠く離れたマレーシアの地で、ここまで本格的な平壌冷麺を提供しているのだろうか?気になって、ウェイトレスさんに訊ねてみた。すると、こんな回答だった。

「この麺は、材料となる蕎麦粉を祖国から持ってきて、店内で製麺しているものです」

なるほど。それならばすべて納得がいく。速報版で説明したように、平壌とクアラルンプールは高麗航空の定期便で結ばれている。蕎麦粉の仕入れも容易なはずだ。

「蕎麦粉ぐらい、わざわざ遠い北朝鮮から運ばなくても用意できるのではないか」と思うかもしれない。しかし、どうやら冷麺に適した蕎麦粉というのがあるようなのだ。というのも、日本で一般的に手に入る蕎麦粉を用いて平壌冷麺のレシピで製麺しようとしてみても、平壌冷麺のようにはならない。そもそも、色の濃さまったく違う(日本蕎麦の色合いを思い浮かべてみてほしい)。

日本でも蕎麦には様々な製粉方法があるが、そもそも日本蕎麦と平壌冷麺では製粉方法が大きく異なると思われる(この冷麺の麺にコンニャクのような黒い点々が見られることからもわかる)。もしかしたら、蕎麦の品種も違うのかもしれない。日本で蕎麦粉を用いた本格的な平壌冷麺を出す店が皆無に等しいのも、そのへんに原因があるのではないだろうか。

さて、麺について力説しているうちに話が逸れてしまったが、「平壌高麗館」の冷麺はスープも絶品である。この写真を見ていただきたい。


具として入っている肉を並べてみたものである。左上から時計回りに牛肉、豚肉、鶏肉だ。いずれもパサパサのボソボソで旨味もクソもない。つまり、これはダシを取ったあとの肉なのだ。牛、豚、鶏の3種類の肉でダシ(ユクス)を取る平壌冷麺のレシピが忠実に守られていることを意味する。

その甲斐あって、スープをひとくちすすると、濃厚なダシの旨味が口のなかに広がる。そして、そこへ適度な酸味と甘みが爽やかさをプラスしていて、ツルツルの麺との相性は抜群。

元来、わたしは冷麺には必ず酢を入れる派だ。しかし今回ばかりは、あまりにもスープの味の均整が取れているので酢を入れるのがもったいない気がして、結局、最後まで入れなかった。


かくしてわれわれは、北朝鮮からはるか南のクアラルンプールで、期せずして本格平壌冷麺にありつくことができた。

もちろん、冷麺好きとしては、いつか平壌の「玉流館」で本場の平壌冷麺を食べてみたいという夢がある。しかし現在、北朝鮮を旅行者として訪れるのには諸々含めて20〜30万円ほどの予算が必要になる。「近くて遠い国」と言われるだけあって、残念ながら訪問のハードルは決して低くないのだ。

それに比べて、クアラルンプールならば普通に旅行してもその半分以下の予算、さらにLCCと安宿を組み合わせた貧乏旅行なら5万円程度で行ってくることも不可能ではない。皮肉なことに、隣国である北朝鮮へ冷麺を食べにいくよりも、南の果てのマレーシアへ冷麺を食べに行くほうが気軽なのだ。

そりゃ、どうせ食べるなら本場で食べるほうがいいに決まっている。しかし、クアラルンプールの平壌冷麺だって、本場から輸入した蕎麦粉を使い、本場のレシピに倣って、(おそらく)本場から派遣された料理人が調理にあたっているのだ。

それを考えると、「クアラルンプールで平壌冷麺を食べる」というのも、決して悪くない選択肢に違いない。

そんな満足感に浸りながら、美人ウェイトレスさんたちに見送られ、われわれは再びクアラルンプールの雑踏へと分け入って行った。


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