前述したように、『カエルの楽園』で、ツチガエルを侵略するウシガエルはあらゆるものを飲み込む気持ちの悪い殺戮者として描かれている。もし相撲界の状況をこのプロパガンダ小説に置き換えていたら、それは外国人力士に対するヘイトそのものだと思うのだが、しかし、これがいまの稀勢の里と相撲界をめぐる日本社会の視線なのだろう。日本の相撲界にあって、外国人力士は品格のない悪役であり、それに対抗できるたったひとりの日本出身力士として稀勢の里が登場した。そういうナショナリズムの物語に大衆は熱狂している。そして、横綱審議委員会もその熱狂に引っ張られ、大甘な裁定で、今回、稀勢の里の横綱昇進を決めた。もちろん、このナショナリズムの物語が相撲やスポーツという世界のなかにとどまっているなら、別に目くじらをたてるつもりはない。それは力道山の時代からそういうものだからだ。しかし、この『カエルの楽園』をめぐるニュースを見る限り、どうもそれでは済みそうにない。純朴な人柄だというこの新横綱がグロテスクなヘイト極右思想に騙され、改憲運動の広告塔に仕立てられないことを祈りたいところだが……。



















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http://lite-ra.com/2017/01/post-2877.html

「稀勢の里に『カエルの楽園』が力を与えた」百田尚樹の自慢は本当か? 新横綱はネトウヨの広告塔に
2017.01.26

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日本相撲協会HPより


 大相撲初場所で初優勝を飾った大関稀勢の里の横綱昇進が正式に決定した。若乃花以来19年ぶりの日本出身力士として、相撲ファンはもちろん、マスコミも沸きに沸いている。

 ところが、その稀勢の里にちょっと気になるニュースが飛び込んできた。きっかけは24日付の共同通信が、稀勢の里の2014年初場所当時のエピソードを報じたことだった。

 共同電によれば、2014年初場所14日目、7勝7敗となり失意のなかにあった稀勢の里は、初の休場を決意。心が折れかけていたが、その後、〈発想を広げるために池井戸潤や百田尚樹ら人気作家の小説を読み、合気道を習ってへその下に力を入れて下半身を強化。食事では揚げ物を避け、体幹を鍛えた。15年からは安定感が徐々に戻り、昨年は初の年間最多勝。低迷を打破した〉という。

 この共同電を複数の新聞社が記事にすると、ツイッターですぐに反応したのが記事に名前のあった百田尚樹センセイだった。

〈今日の「京都新聞」などに、「稀勢の里が、心が折れそうになったとき、百田さんの本を読んで頑張った」と言っていたという記事が載っていたらしい。
私の本が稀勢の里に力を込めて与えたと思うと、めちゃくちゃ嬉しい!〉
〈ネット検索したら、稀勢の里は去年の九州場所では『カエルの楽園』を読んでいたようですね。意外です(^^;
今回、心が折れそうになったときに読んでいたのも『カエルの楽園』なのかな。〉
〈稀勢の里に本を送りたい!!(^^)〉

 ようするに、百田センセイ自ら、稀勢の里が『カエルの楽園』を読んでいたことを明かし、心が折れかけていた稀勢の里に力を与えたのは『カエルの楽園』かもしれない、と自慢げにツイートしたのだ。

 これを受けて、百田信者のネトウヨのみなさんは大喜び。〈稀勢の里関が百田先生のカエルの楽園を読んで自らを鼓舞していたとは!!!〉〈稀勢の里は以前、精神面が弱い力士でした。カエルの楽園が逆に弱い自分を奮起したのだ〉〈まさに「日本男児此処に在り!」、稀勢の里関、応援してますよ〉〈「横綱稀勢の里も読んだ『カエルの楽園』」で再売り込みしましょう!〉と、その界隈では完全に『カエルの楽園』が稀勢の里を横綱に押し上げたことになってしまった。

 しかし、これ、本当なのだろうか。本当だったら、稀勢の里って相当にヤバい人なのでは……。断っておくが、当サイトは“百田憎し”でこんなことを言っているわけではない。相撲界の体質を考えれば、横綱になった力士がたまたま百田尚樹ファンだったとしても別に驚きはないし、純朴な人なら『永遠の0』や『海賊とよばれた男』を読み、その語り口に騙されて奮い立った、なんてことも十分あると思う。しかし、百田センセイがもちだしたのは、あの『カエルの楽園』なのだ。

その違和感を共有してもらうために、『カエルの楽園』がどんな小説なのか、改めて簡単に振り返っておこう。

 物語は国を追われた2匹のアマガエルが、「ナパージュ」という国にたどりつくところから始まる。このナパージュに住むのはツチガエル。このツチガエルたちは「一.カエルを信じろ。二.カエルと争うな。三.争うための力を持つな」という「三戒」を守り、何を謝っているのかわからないまま、「謝りソング」というものを歌っていつも謝っている。

 一方、ナパージュの崖の下には「気持ちの悪い沼」があり、そこには「あらゆるカエルを飲みこむ巨大で凶悪な」ウシガエルが住んでいて、ナパージュの土地を自分たちの土地だと言い張り、侵略しようと虎視眈々と狙っているのだが、ナパージュのカエルたちは「三戒」のおかげで平和が守られていると信じている。

 なんのひねりもないのでもうおわかりだと思うが、ナパージュは日本、ツチガエルは日本人。でもって、三戒は憲法9条、謝りソングは自虐史観、凶悪なウシガエルは中国。ようするに、これ、日本の過去の戦争を肯定し、憲法9条改正を扇動する極右プロパガンダ小説なのである。

 実際、その後の展開も笑っちゃうくらい露骨だ。聡明で真実を語る存在として、安倍首相と思しきプロメテウスなるカエルや、百田自身のことらしいハンドレッドなるカエルが登場して、三戒(憲法9条)破棄を主張する。ところが、長老のデイブレイク(どう考えても朝日新聞のことだろう)に影響を受けたツチガエルたちは、これを拒否。その結果、ウシガエル(中国人)によるツチガエル(日本人)の大殺戮がおき、あっという間に国中をウシガエルに占拠され、ナパージュ(日本)は滅亡してしまう。オシマイ。

 その政治的主張の恣意性や小説としての安直さは置いておくとしても、こんな物語を読んで、どうやって「おれも頑張ろう」という気持ちになるのか。仮に稀勢の里が百田と思想が100パーセント一致したネトウヨだったとしても、これを読んで折れた心を立て直せるとは思えない。

 というか、問題はそれ以前だ。前出の共同電によると、稀勢の里が心が折れそうになって百田や池井戸潤の小説を読んだのは2014年初場所休場の後。『カエルの楽園』は2016年2月の出版だから、そもそも心が折れた当時の稀勢の里が読んでいるはずがないのだ。

 にもかかわらず、百田センセイが『カエルの楽園』をもちだしたのは、昨年11月25日付のサンケイスポーツの記事が根拠ではないかと思われる。そこにはこんなくだりがあった。

〈9月の秋場所では3場所連続の綱とりに挑み、10勝に終わって横綱昇進へのチャレンジは白紙に戻った。場所前、1カ月ほど続いた秋巡業中。稀勢の里は複数の本を持参していた。古武術を主とした身体技法の研究家、甲野善紀氏のシリーズ本を3冊、百田尚樹氏の「カエルの楽園」だ。父・萩原貞彦さん(70)が茨城・牛久市の実家に戻った際に持たせたもので「(武道書は)文字通り体の使い方、動きの参考になればと思ってね。(百田氏の本は)自分の置かれた環境をよく考えてほしいと…」という親心があった〉

 こちらは、稀勢の里の父親が証言しているだけなのだが、百田センセイとその信者たちはこの記事と今回の共同電を混同して、いつのまにか、稀勢の里に力を与えたのは『カエルの楽園』だったということにしてしまったのだろう。事実を自分に都合よく平気で捻じ曲げる、この人たちらしい勘違いである。

 とはいえ、稀勢の里が『カエルの楽園』を父親に渡されていたのは事実だ。しかも「自分の置かれた環境をよく考えてほしい」というアドバイス付きで。その意味では、改憲運動やヘイト思想の広告塔にされてしまう可能性は大いにあるだろう。

 いや、その動きはもう始まっているのかもしれない。ネトウヨのみなさんはこのことが話題になるや、さっそく〈稀勢の里関は『カエルの楽園』を読まれて支那国と本気で戦う勇気を与えられたと思います。その結果稀勢の里関のパワーアップに繋がったのでは⁉〉〈『カエルの楽園』を読んだ稀勢の里は、対戦相手をみんなデイブレイク(引用者註:つまり朝日新聞のこと)だと思って突進したんだと思う〉などと、無茶苦茶な解釈をして、稀勢の里を自分たちのヘイト思想、歴史修正主義の体現者にまつりあげはじめた。

 さらに象徴的なのが、くだんのサンスポだ。同紙記事は稀勢の里の父親から「『カエルの楽園』を持たせた」という証言を得たあとに、小躍りしてこんな珍解説をしている。

〈とくに「カエル-」は侵略によって国を失ったアマガエルが世界を放浪しながら「カエルを信じろ、カエルと争うな、争う力を持つな」と「三戒」の堅守にこだわるツチガエルの言動に疑問を抱く様子も描かれている。それは、モンゴル勢を中心とする外国出身力士が席巻する勢力図のなかで、あらがわなければならない国内出身力士の立場に置き換えることもできる〉

 前述したように、『カエルの楽園』で、ツチガエルを侵略するウシガエルはあらゆるものを飲み込む気持ちの悪い殺戮者として描かれている。もし相撲界の状況をこのプロパガンダ小説に置き換えていたら、それは外国人力士に対するヘイトそのものだと思うのだが、しかし、これがいまの稀勢の里と相撲界をめぐる日本社会の視線なのだろう。

 日本の相撲界にあって、外国人力士は品格のない悪役であり、それに対抗できるたったひとりの日本出身力士として稀勢の里が登場した。そういうナショナリズムの物語に大衆は熱狂している。そして、横綱審議委員会もその熱狂に引っ張られ、大甘な裁定で、今回、稀勢の里の横綱昇進を決めた。

 もちろん、このナショナリズムの物語が相撲やスポーツという世界のなかにとどまっているなら、別に目くじらをたてるつもりはない。それは力道山の時代からそういうものだからだ。しかし、この『カエルの楽園』をめぐるニュースを見る限り、どうもそれでは済みそうにない。

 純朴な人柄だというこの新横綱がグロテスクなヘイト極右思想に騙され、改憲運動の広告塔に仕立てられないことを祈りたいところだが……。
(宮島みつや)


http://lite-ra.com/2016/04/post-2123.html

百田尚樹の改憲扇動小説『カエルの楽園』の安易さがスゴい! はすみとしこ大絶賛でネトウヨ同士意気投合(笑)
2016.04.02

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『カエルの楽園』(新潮社)

「これほどの手応えは『永遠の0』『海賊とよばれた男』以来、これは私の最高傑作だ」(帯文より)

 ──2月末、あの百田尚樹氏がこのように胸を張る新作小説を発売した。タイトルは『カエルの楽園』(新潮社)。昨年10月から自身のブロマガ「百田尚樹のテレビでは伝えられない話」で連載していたものをまとめた一冊なのだが、出版社による惹句には、〈大衆社会の本質を衝いた、G・オーウェル以来の寓話的「警世の書」〉とまである。

 恐怖政治と全体主義を描いたジョージ・オーウェルの小説は、「まるで安倍政権の未来を描いているよう」と多くの人が指摘してきたが、まさか安倍応援団の百田氏がオーウェルを引き合いに出すとは笑止千万。しかも、特攻隊を美化しまくった歴史修正小説と同じ最高傑作と言われたら、この『カエルの楽園』がいかほどのものなのか程度が知れるというものだが、恐ろしいことにこれがいま、売れているのだという。『殉愛』騒動によって、なけなしの信頼も底をついたと思いきや、酔狂な読者も多いらしい。

 一体、百田センセイは今度は何を訴えようとしているのか。ものは試しで読んでみた。

 すると、たしかにすごかった。悪意と憎悪の満ち方が。

 小説は248ページも費やしているが、物語はいたって単純だ。主人公は、カエル喰いのダルマガエルに土地を奪われたアマガエルで、この2匹が辿り着いたのは、ツチガエルの国・ナパージュ。ナパージュの崖の下には「気持ちの悪い沼」があり、そこには「あらゆるカエルを飲みこむ巨大で凶悪な」ウシガエルが住んでいて、時折、崖を登ってきたり、ナパージュの土地を自分たちの土地だと言い張り上陸してくるが、ナパージュのカエルたちは「三戒」のおかげで平和が守られていると信じている。その「三戒」とは、「一.カエルを信じろ。二.カエルと争うな。三.争うための力を持つな」……。

 なんのひねりもないのでみなさんすでにおわかりかと思うが、ナパージュはJapanの逆さ読み。つまり、ナパージュ=日本、ツチガエルは日本人(以下、ややこしいので日本人ガエルとする)。無論、「三戒」は憲法9条で、凶悪なウシガエルは中国や韓国、北朝鮮を指している。

 そして、この安易すぎる設定を使って百田氏が終始強調するのは、日本人ガエルたちが信念とする平和主義の“愚かさ”だ。たとえば、日本人ガエルたちがこぞって歌う「謝りソング」というものがある。

〈我々は、生まれながらに罪深きカエル
 すべての罪は、我らにあり
 さあ、今こそみんなで謝ろう〉

 これは極右たちが攻撃する「自虐史観」というやつの暗喩なのだろうが、それにしても「謝りソング」って……。しかも、日本人ガエルは過去にウシガエルを虐殺し、その場所に花を手向けているが、「誰がやったの?」と訊かれても当の日本人ガエルは「よく知らないわ」。日本人ガエルは「昔のことになると、知らないことばかり」で、誰に何を謝っているのか、わからないまま謝り続けている滑稽なカエルとして描かれる。こうした平和主義を喧伝してきた長老はデイブレイクというが、これは朝日新聞でも指しているのだろう。

 そうしたなかで登場するのが、一匹狼(一匹カエル?)として洞穴に住み、主人公に真実を語る「嫌われもの」の日本人カエル・ハンドレッド。またしてもひねりがないが、ハンドレッドとは百田自身のことだろう。実際、ハンドレッドの説明は、いつもの百田節全開である。

 この百田ガエル・ハンドレッドは、日本人ガエルの虐殺をこう否定する。

「ウシガエルたちが方々で言いまくっていることだ。今では世界中に広まっている」
「ウシガエルの奴らは根っからの嘘つきだ」
「その嘘を広めたのはデイブレイク(=朝日新聞)だ」
「デイブレイクはナパージュ(=日本)の悪口が大好きなカエルなんだ。ナパージュのカエルを貶めるためなら、どんな嘘だってつく」

 童話調になっても中韓ヘイト、朝日ディスを繰り返す歴史修正ガエル。この百田ガエルの話を聞いた主人公に「(百田ガエルが)嘘をついてこの国を貶める理由がないし、何の得もない」と肯定させているあたりも、じつにハンドレッド先生らしい。

 で、もうどうでもいいかもしれないが、このあとの物語を一応紹介しておくと、愚かな日本人ガエルたちは「三戒」(=9条)を守っているために平和が続いてきたと信じているが、実態はスチームボートという名のタカ(いわずもがなアメリカなのだろう)が守ってくれていただけ。そんなナパージュの国に、二匹のウシガエルが上陸。危機感が強まるなか、元老のカエル・プロメテウスがタカに崖を見張ってほしいと頼みに行くと言い出す。が、タカには“ツチガエルも一緒に戦え”と迫られる。──そう、このプロメテウスが安倍首相、見張りの依頼が安保法制、というわけだ。

 もちろん、プロメテウス=安倍ガエルは、9条信者ガエルや朝日新聞ガエルと対比的に、じつに現実路線の聡明なカエルとして描かれる。といっても、対話を求める日本人ガエルに対して安倍ガエルが主張するのは「話し合いですって? 相手は凶悪なウシガエルですよ」という、美化しても実際の安倍首相と大して差のない中身スカスカのことしか言えないのだが。

 そんななか9条信者ガエルたちは「三戒違反だ!」と反発し、さらには「プロメテウスの横暴を止めます。仲間たちと一緒に頑張っていきます」と若者ガエルの集団・フラワーズ(=SEALDs)までもが登場。当然ながらここでも百田氏はSEALDsガエルたちを〈いずれもオタマジャクシからカエルになったばかりの若いカエルたちで、お尻にシッポが残ったままです〉と説明するなど、稚拙な集団であることを強調して描くという悪意を見せている。

 そしてここからの展開が、百田氏が描きたかった本題なのだろう。現実とは違い、安保法制は民衆の猛反対により否決されるのだが、その結果、ナパージュにウシガエルが上陸。また、ついにはタカ(=アメリカ)が見張らなくなった地域(沖縄か?)をウシガエルたちが占拠するのだ(無論、ウシガエルに適応されるであろう個別的自衛権は、この物語には存在しない。というか、ふれない)。ここで現れるのはもちろん安倍ガエルで、毅然と「三戒を破棄することを提案します」と述べる。現実さながらの憲法改正、しかも9条撤廃案である。

 だが、日本人ガエルたちは不戦を掲げ、三戒放棄案を否決。自衛隊ガエルは目を潰され腕を切り取れ、日本人カエルたちは平和が守られたと大歓喜。でも、その最中にもウシガエルによる日本人ガエルの大殺戮がおき、あっという間に国中をウシガエルが占拠。ナパージュ=日本は亡びたとさ。……おしまい。

「なるほど。平和主義者たちが叫ぶ『9条を守れ』の声をのさばらせておくのはこんなにコワイ結果を招くのか!」などという、そういう感想が出ることを期待して百田氏は本作を書いたのだろうが、これ、たんなる百田氏およびネトウヨの妄想ではないか。実際、「そうだ難民しよう」イラストで一躍ヘイト有名人となったはすみとしこ氏は、ツイッターで百田氏にこんなメッセージを送っていた。

〈今日届き、数時間で読破いたしました!読みやすい!わかりやすい!問題提起様々、いろいろ考えさせられる作品でした。どの段階ならカエルの国を守れたのだろうかとか。。難しいです。ぜひ若い子に読んで頂きたい秀本だと思います!九条はカルトだ!〉

 これに対して百田氏は〈初めまして、百田です。お読みいただき、ありがとうございました。『そうだ難民しよう』を拝読して、是非、はすみさんに読んでいただきたいと思っていました。感想ツィートも感謝です!〉と返事をしているが、このやりとりからもわかるように、ネトウヨ感性を持ち合わせていないかぎり、到底読書に耐えられるシロモノではない。

 小説としても会話文ばかりでディテールと呼べるものは何もなく、あるのは“安保法反対派をぶっ潰してやりたい”“9条こそ害悪”という憎悪だけ。「ラノベ以下」という評価もあるが、それを言ったらラノベに失礼である。こんな低次元の妄想文章が「最高傑作」とは、百田氏も相当焼きがまわっているようだ。
 
 ただ、この駄作を読んで間違いなく言えることは、百田氏の目にはよほど安保反対デモの勢いが脅威に映っていた、ということ。そしてそれは、安倍首相も同じはず。ようするに、本格的な憲法改正議論を前に、安倍首相のバックアップのため寓話調の物語で味方を増やそうという百田氏の魂胆が見え見えなのだが、このようなプロパガンダ小説が売れてしまっている、という事実は、無視できない現実だろう。
(大方 草)





https://togetter.com/li/1022306


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豊崎由美さんによる百田直樹氏「カエルの楽園」書評
書評家、豊崎由美さんによる百田直樹氏「カエルの楽園」書評をとても面白く読んだので、まとめてみました。

レビュー 百田尚樹 豊崎由美 タグを編集

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豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 00:43:00
ほんとだYO!百田氏が「どうせ書評も出ない」って愚痴ってたみたいだから書いたのにぃ。 RT @kirimperial1 週刊新潮で百田のカエルの楽園の書評が3大紙で書評が出ない!とクソみてぇなネタ記事出してるがTV Bros. で書評だした豊崎由美にコメントもらえよ。






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 00:46:21
てか、『カエルの楽園』みたいな小説(?)に書評が出ないことに怒ってるほうがおかしい。わたしみたいなバカ以外が、こんな低レベルかつ取り上げれば百田氏のファン(笑)から頭が痛くなるような面倒臭い反応がくるに決まってる本、誰が書評するかっていうの。みんな、忙しいの。






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 00:55:03
ひと月に出る国内外の小説の数ったら凄くてですね、とても全部読み切れるもんじゃないです。で、書評家は、その中から経験則から選んで読んで、自分が「いい!」と思った本を紹介する。でもね、わたしは「これだけは(自分的に)許せない」本もたまに俎上に載せます。そういう役割だと思ってるから。






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 00:58:56
そっかー。じゃあ、「ブロス」で書いた『カエルの楽園』評、挙げちゃおうかなあ。もう、掲載誌は世間から消えちゃったし。






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 01:01:34
【カエルの楽園評】① 凶悪なダルマガエルに祖国を蹂躙されたアマガエルのソクラテスは、安住の地を求め、ツチガエルの国ナパージュにたどりつきます。ツチガエルは平和を愛するカエルで、その精神を支えているのが「三戒」です。曰く「カエルを信じろ」「カエルと争うな」「争うための力を持つな」。






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 01:02:07
② 南の崖の下には恐ろしいウシガエルがいるのですが、ツチガエルは自分たちがこの「三戒」を守り続けている限りは、彼らが自国を襲ってくることはないと信じています。ところが、放言ゆえにナパージュ一の嫌われ者になっているハンドレッドによれば、この国の平和は「三戒」ではなく、






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 01:02:54
③ ナパージュの僭主であり、本当の支配者である巨大なワシのスチームボート様によって守られている、と。
 百田尚樹の『カエルの楽園』は、12世紀から14世紀にかけて盛んだった「動物寓話集」のスタイルを借りて、現代日本をカリカチュアライズした話だということが、






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 01:03:20
④ ここまでの紹介でもおわかりかと思います。
 物語はこの後、ウシガエルが崖を登ってくるという有事をきっかけに、あくまでも「三戒」を守るべきだと主張するデイブレイク派と、「三戒」を捨ててでもウシガエルと戦うべきであるとする元老プロメテウス派に分かれて、大きく揺れていくのですが、






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 01:03:56
⑤ 読んでいく過程で注意しなくてはならないのが作者による印象操作の汚い手口。
 デイブレイクを中心とする護憲派は、徹底してヒステリックで蒙昧な輩として描かれており、安倍首相/プロメテウスや自衛隊的存在/三兄弟は、我が身を挺してでも国を守ろうとする愛国の徒としてヒロイックに讃えられ






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 01:04:25
⑥ 百田/ハンドレッドは非難を怖れず正しいことを言い放つ賢者として肯定されているんです。また、中国を彷彿させるウシガエルを絶対悪として扱い、南京大虐殺を否定。北朝鮮韓国差別も書きたい放題。護憲派の声のほうが大きく、安倍首相ら改憲派が数的弱者という現実とは逆の状況を提示し、






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 01:05:06
⑦ もしも改憲派が護憲派に負けたら国が滅ぶ像を最後に見せることで、平和憲法とそれを守ろうとする者のイメージを貶めるべく画策。
 げんなりするほど一方的な寓意しかないこんな低レベルな読み物は、とても寓話とは呼べず、たんなるプロパガンダ。






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 01:05:38
⑧ 百田先生におかれましては、ジョージ・オーウェルの『動物農場』を読んで恥じ入っていただきたいものです。これが本人曰く「私の最高傑作」だとすれば、既作の数々は……。こんな差別的な本を読んではいけない。こんな偏見に満ちた本を買ってはいけない。こんな幼稚な悪書にだまされてはいけない。






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 01:14:09
ほんと、笑うわ。あんなものを書いておいて、書評が出ると思うことに。もう一度言うけど、みんな忙しいんですよ。良い作品を紹介する仕事で、忙しいんですよ。






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 01:19:15
百田氏のファンの皆さんへ。前にも書きましたけど、わたしの書評のどこが間違っているか、エビデンスを提出して、その上で罵声を浴びせてきてくださいねー。






豊崎由美≒とんちゃん @toyozakishatyou 2016-09-09 01:32:32
さてさて、こうしてブロスに書いた書評をアップすると、百田氏のファンから罵倒が押し寄せてこない。結局、以前、百田氏のツイートに煽られて、わたしに@を飛ばしてきた人たちはやっぱり書評自体は読んでなかったんですね。読んだら反論できない、エビデンスが出せないというw
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