1984年のUWF







































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フィニッシュホールドはキャメルクラッチ=ラクダ固め。うつ伏せになった相手に馬乗りになり、アゴを両手で持ち上げて相手の上半身を反らせ、背中や腰にダメージを与える技だ。

中井祐樹は、高田のキャメルクラッチを見て衝撃を受けた。

柔道では、下になった者は亀の状態で必死に守る。首を空ければたちまち締められてしまうからだ。真剣勝負の試合がキャメルクラッチで決着がつくなど絶対にありえない。

そうだったのか。

UWFもまた、真剣勝負の格闘技ではなかったのか。

普通の人間ならば、諦めてショーを演じ続けるか、絶望して去るところだ。

しかし、佐山聡は普通の人間ではなかった。第3の道を選んだのだ。

関節技を生かした新たなる格闘技を作り上げよう。つくりもののプロレスを、すべて本物に変えてしまおう。

それこそが18歳の佐山聡が歩み出した第3の道だった。

佐山の考えた新格闘技とは、打撃戦から始まり、組み付いて投げ合うテイクダウンの攻防から寝技の攻防に移行し、最終的には関節技で極めて完全決着するというものだった。

いまでいう総合格闘技、あるいはMMA(Mixed Martial Arts)である。

1970年代半ば、すでに総合格闘技を構想し、実現に向けて歩き出した18歳の青年がいたということだ。

天才としか言いようがない。

佐山以前に、そのようなことを考えたプロレスラーはひとりもいなかったのだから。

しかし、新日本プロレスに入門して半年あまりの18歳は普通の人間ではなかった。

プロレスが結末の決まったショーであるのなら、本物の格闘技にしてしまえばいいと考えたのだ。

「格闘技は、打撃に始まり、組み合い、投げ、極める」

佐山はこのように大書して自分の部屋に張り、さらに自分の考えをアントニオ猪木に伝えた。

猪木は佐山の提案に大いに賛同してくれた。新日本プロレスの内部に格闘技部門を作ろう、そのときはお前を第1号の選手にしよう、とまで言ってくれた。


「若いレスラーにはガチ(シュート=リアイルファイト)を道場でもやらせる。リング上でもやらせる。そうすることで、レスラーはプロレス魂を植えつけられる。

そこからガチのない場所に移っても、その精神が生きる。それを体験した選手は、人前でも演技というか、いいプロレスができるようになるんです。(中略)

試合中にガチの要素がないと、猪木さんが目を光らせていて『何をやっているんだ!』と怒る。通常のプロレスの中に、部分的にガチが注入されている。そういうプレッシャーが、常にかけられている。(後略)」(『週刊プロレス』元編集長の山本隆司)

V1アームロック、V2アームロック、Vクロス・アームロック、ピロー・アームロック、テレフォン・アームロックといった技のネーミングも佐山さん。地味な関節技が、どんどんかっこいい技にブラッシュアップされていった。キャッチコピーを作る能力も優れていたんです。

UWFの象徴ともいえるレガースは、佐山が考案したものだった。

「正確にはシューティング。レガースと呼ばれるもので、佐山さんがザ・タイガーの時に考案して着用したのが最初です(中略)

レガースは本革製で中身は厚めの発泡スチロール。本革を使うから、蹴ったときに大きな音が出る。(後略)」

いまやレガースは世界中のプロレスラーが着用し、世界各地の打撃系格闘技のジムでも使用されている。

オープンフィンガー・グローブを考案したのも佐山だ。1977年10月に行われたアントニオ猪木とチャック・ウエップナーの異種格闘技戦で初めて使用され、(中略)現在では シューティング~修斗、PRIDE、UFCなどあらゆる総合格闘技のプロモーションで使用されている。

タイガーマスク出現からわずか3年後、佐山聡はスーパー・タイガーという「打投極の全局面で戦う夢の格闘家」という新たなるキャラクターを身に纏い、真剣勝負のプロレスを渇望していた先鋭的なプロレスファンを魅了していたのだ。

佐山聡こそ日本の格闘技文化の淵源であり、天才と呼ぶにふさわしい。

藤原さんはとにかくうまい。

前田さんとやるのは怖かった。壊されるんじゃないかという恐怖がありました。

高田さんはパワーにまかせた強引なレスリング。木戸(修)さん、山崎さんは優しい印象があります。

カール・ゴッチさんに稽古をつけていただいたこともありますが、とにかくえげつない。普通のスパーなのに、肋骨や脊髄をヒジで強く押してくる。亀になった僕のケツの穴に普通に指を入れてきたときには飛び上がりましたね。

巡業に出るようになると、佐山さんのキックをミットで受けました。

道場でキックが一番重いのは高田さん。ヒジが壊れると思ったほどです。

でも、佐山さんのキックは、初速というか、瞬間的なスピードが全然違う。

タックルにしても何にしても圧倒的に速い。天性のものでしょうね。

(星名治)

●ダウンした回数とロープエスケープをロストポイントとしてカウントする。

●グラウンドの状態で当て身(打撃)を使用してはならない。

●相手の首から上には頭突き、パンチ、肘打ち、膝蹴りを行ってはならない。

●UWF規定のキック専用シューズ以外を身につけてファイトするときは、キック攻撃を行ってはならない。

8章36条に及ぶルールは、もちろん佐山が考案したものだ。
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