史上最強の柔道家 山下泰裕  山下泰裕公式サイトより グレイシー一族と柔術にl関する記述













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柔道には大ざっばに言って背負い投げや内股といった立ち技を重視する講道館柔道と、寝技を得意とする流派の二つがありますが、私が得意なのは立ち技でし た。私の師匠は寝技の達人で、稽古が始まったらすぐ「寝る」ような人でしたが、私は「寝る」のが嫌いで、その頃盛んだった立ち技一本でやっていました。お かげで、柔道を長くやっても耳の形が変形せずに済みました(笑)。
それに対して、戦前戦中の旧制高校では寝技を中心とした柔道が盛んでした。有名なところを挙げれば、新日鐵の永野重雄さんや読売の正力松太郎さん、作家の井上靖さん。こうした人達は寝技が得意だった。寝技の方が、より実戦的だったからでしょう。
私は大学の道場に通うかたわら、水道橋の講道館にもよく稽古に行っていました。そこに、当時全盛だった栃錦や若乃花をはじめとした相撲取りも来ていたので す。彼らの稽古を見たのですが、ほとんどの柔道選手は立ち技では太刀打ちできない。そこで寝技に行く。横綱や大関に勝つには、彼らの首を絞める、つまり完 全にチョークするんです。そうすると彼らはすぐ「まいった」したものです。
後年、外国出張に行った折に、私が柔道をやっていると知っている現地法人の人などから、「ここにも柔道場がありますよ」と誘われたことが何度かありまし た。行くと、身長2メートルもあるような大きな外国人が出てくる。その場合は、寝技に持込み、最後に首を絞めて勝つというのが私のスタイルでした。外国人 というのは不思議と、「落ちる」(絞め技によって呼吸困難になり一時的に気絶する)ことをひどく嫌がるのです。一度落ちたらもうこの世に帰って来られない のではないかという、「落ちる恐怖」があるようなんです。日本人は基本の段階でみんな「落とされる」練習をしますが、外国ではやらないようです。同じ柔道 といっても、国によって微妙な違いがあるところが面白い。
ところが近年、ブラジルのグレイシー柔術の選手が日本にやってきて、日本の格闘家やレスラーと試合をしていますが、これがめっぽう強い。今は日本の柔道よ り強いのではないかとさえ言われています。グレイシー柔術は寝技中心ですが、明治時代にブラジルへ柔道を広めに渡った前田光世の教えが、現地で100年の 間に独自の発展をして、日本に逆輸入されているわけです。
米国の駐日大使をしていたトーマス・フォーリーさんもグレイシー柔術をやっていました。私は大使が離日されるときに、柔道着をプレゼントしました。オリン ピックの柔道をみていても、たとえばサンボ(ロシア)や韓国・モンゴル相撲の出身者は、すくい投げや諸手刈りなど、講道館柔道にはあまりみられない、昔の 柔術の技を持っている。最近、日本人選手がやられているのは、全部、そんな技です。しかし考えてみれば、日本から外国に出て行ったものがまた日本に戻って くるというのは、経営においてもよくあることです。日本的な経営手法が外国に伝わって、向こうで作られた製品が日本市場に入ってくる。これが国際化であ り、色々なものがミックスされて一つの国際的な基準、デファクトスタンダードができるのです。
深夜にテレビでときどき、K-1やプライドや総合格闘技の番組を観ることがありますが、観ながらそんなことを考えることもあるのです。
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