ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会



http://ddnavi.com/news/219995/

書店に溢れる「ヘイト本」にNO! 「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」立ち上げ

2014.12.23
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『NOヘイト! 出版の製造者責任を考える』(加藤直樹、明戸隆浩、神原元:著、ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会:編集/ころから)

『NOヘイト! 出版の製造者責任を考える』(加藤直樹、明戸隆浩、神原元:著、ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会:編集/ころから)

 “韓・嫌中”を題材にした本が書店の特設コーナーに堂々と平積みにされ、電車の車内吊り広告では隣国を嘲笑し、侮蔑するかのような週刊誌記事の見出しを目にすることが珍しくなくなった現在の日本。こうした隣国への差別感情を煽るような言説が溢れる出版業界の現状に対し、業界の中から自らの製造責任を考えようとする団体「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」が立ち上がった。同会の呼びかけ人は都内の出版社に勤務している岩下結氏。会の立ち上げの経緯、この現状に対する問題意識を岩下氏に聞いた。

「ヘイトスピーチや排外主義に関する状況が大きく変わり始めたのは、2011年から2012年にかけてだと思います。民主党政権に批判が集中する中で右寄りの言説が勢いづき、その一方で、韓国の李明博大統領の竹島上陸と中国との尖閣諸島をめぐる騒動で、韓国や中国をはっきりと敵と認識することが許されるような状況ができてしまいました。そんな状況が続き、去年ぐらいから嫌韓・嫌中、偏狭なナショナリズムを煽る〝ヘイト本〞が目立つようになってきました。在日特権を許さない市民の会(在特会)によるヘイトデモが問題になってきましたが、こちらも同じ下地から生まれてきたのだと思います。ただ、ヘイト本を消費している人は実際にデモを行っている人に比べて桁違いに多い。会を立ち上げた直接的なきっかけは、日本の書店の棚がヘイト本で溢れている状況について、ツイッターで議論になっているのを見て問題意識を持ったことです。そこでは書店に対する批判や擁護、さまざまな意見がありましたが、出版社の立場からの発言はほとんどありませんでした。そもそもヘイト本を作っているのは出版業界。その中からこの問題をどう考えるのかという動きが出てこないのはおかしいと思ったんです」

 岩下氏は出版関係者に幅広く声をかけて有志を募り、同会のフェイスブックページを開設。こうして立ち上がった同会には多くの賛同が寄せられ、今年7月4日には日本出版労働組合連合会と共催でシンポジウム「『嫌中憎韓』本とヘイトスピーチーー出版物の『製造者責任』を考える」を開催した。さらに10月30日には、このシンポジウムの内容をまとめた『NOヘイト! 出版の製造者責任を考える』を出版。同書では、メディアの製造者責任、ヘイト本を売らざるを得ない書店員たちの思い、出版業界人の意見交換、表現の自由とヘイトスピーチ規制など、さまざまな観点から書店にヘイト本が氾濫する現状についての分析がされている。

「ヘイト本に関して、隣国の文化や歴史認識、首脳を批判したり揶揄したりしているだけで差別ではないという擁護がありますが、冷静な批判なら、あえて扇情的なタイトルをつける必要はない。最初から貶めたいという動機が見え隠れします。そういった本が書店に堂々と大量に置かれることによって差別感情を肯定し、差別を正当化してしまうかもしれません。それは私たち日本人の人権侵害に対する意識の低下にもつながるし、最悪の場合にはヘイトクライム(人種的憎悪に基づく犯罪)を引き起こすかもしれません。さらに、隣国への歪んだ敵対感情は、日本の政策決定に関して冷静な判断を妨げることにだってつながりかねないでしょう。戦前、現実にそういうことがあったわけですから、そこには言論や表現の自由とは別個に、私たちメディアの責任があるはずです」

 現在、同会ではさまざまな出版社の社員や書店員、フリーライターら約20人のメンバーが活動。ネット上では会の趣旨文を公開し、出版に関わる仕事をしている人を条件に賛同を募っているが、すでに700筆を超える署名が集まっている。

「青臭いかもしれませんが、最終的には、やはり業界の個々人の良識にかけているところはあります。ただ、今はこれが良識に関わる問題だという認識がされていません。私たちがこうした現状をおかしいと言い続けること、そして今回出版した本をきっかけに業界の人々がそういう意識を持ってくれるようになれば、少しずつ趨勢は変わっていくと思っています。おかげさまで反響も大きく、数では勝てませんが、この本がヘイト本への対抗として多くの書店に置かれるようになってほしいですね。今後も出版業界としての責任を考え、ヘイト本の売れ方の分析や業界の構造的な問題も含めて議論を重ねていくつもりです」

取材・文=橋富政彦(『ダ・ヴィンチ』1月号「出版ニュースクリップ」より)
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